老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

シリアの牢は冷たかったろう

2018-11-10 21:28:59 | 俳句
  いつ死んでも覚悟は?やっぱりできていなかった。

四日間は原因不明の熱に悩まされ、食欲は全く無い。
夫が買ってきた、アイスクリームの美味しかったこと。
食べなくてはと、ヨーグルのカップを無理して食べる。
病院食には手をつけられない。

心臓検査までに、熱が下がればと、努力。
熱は努力をして下がるものではない。

が、幸いに、検査の時は熱は平熱になっていた。
血液検査の結果、体内のどこかが、熱の原因となる炎症があるからと CT の検査もやった。
その結果は待たずに心臓の検査を、、、。
救急車で来たのだけれど、検査の前日になって、いつもの主治医が突然現われて、
「葉さん、お久ぶりです。忙しくして申しわけないのですが、急遽今から、あなたの検査をやります」と。

検査室の順を待って、日がだいぶ経っていた。
救急の当日の医師が今回は主治医となってい、毎日何度も診てくださっていた。

前からの馴染みの医師が六日目に病室に来てくださったのだった。


どの医師も良心的に診てくださっているが、検査は一日でも早い方が良い。
診断が早ければ、治療方針もおのずと決まってくるからだ。

検査の結果は、去年の施術の跡は悪くなっていないとのこと。
燃えるような胸の痛みは他の逆流性胃炎などに原因があるからかもと薬で様子を見ることとなった。

お騒がせの患者だ、、、が痛みも熱も原因はあったにちがいが無い。苦しい日々が続いた。


熱が下がると、病室で俳句を考えたり、、、、

       
         病室のかげろひ十一月三日

この日は、俳誌の25周年大会が東京で行われている。
名もなく貧しい私は遠くから大会の成功を祈るのみ。
出席などは考えもしなかったが入院中の身を考えると少し淋しい。



         夫ならでは焼き芋の見舞かな

食欲の無い私のために、ほくほっかほっかの石焼き芋を持ってきてくれる。



         大嚏轟く真夜の病棟に

患者のどなたかの
嚏が病棟にひびき渡った。元気で結構だ。
一方で手術がおもわしくなくて、亡くなった患者さんもいた。


         手術台冷たシリアの牢思ふ

あたかもシリアで拘束をされていた安田さんが開放をされた。
かまびすしい「自己責任論」
それより先に命の重みを考えて欲しい。
最初に拘束された時点では、彼の責任のことも考えたけれど、今は命があったことを一番に、素直に喜んであげたい。
シリアの牢もさぞ冷たかっただろうと手術中に思った。


     
          朝日さす卓の新米退院す


点滴、枕頭台、看護師 、、、、   類想、類句、以外と詠むのは難しい。












コメント (2)
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