老人雑記

生活の中で気づいた浮世の事

傘やの娘

2024-10-11 12:12:01 | 老人日記
                        

和傘を型どったランプセエード。
姉の家から無理やりぶんどった。

        

私は傘屋の娘。
姉は近所の人から傘屋のお嬢様と言って、この傘の置物をプレゼントをされたと言う。
姉妹だから当然のこと傘屋の娘だ。

それを、妹の私が横から、ぶんどっり,もらって帰った。
子供の頃が懐かしい。

        

父祖が作っていた傘の制作場所が私の遊び場だった。
傘を貼っている母の傍らで、母の昔話を聞いた。

女の子の生理の話も失敗をしないように聞かされたのも、母の仕事場だった。

        

年齢の離れていた姉は、傘づくりの仕事場で見かけたことは無い。

おしゃれの好きな姉はお年ごろ。
母の言うには、姉にはラブレターで風呂が沸いたと言うくらい、もてもてだったらしい。

女学校から、私が読めそうな本を借りてきてくれる。
お人形を作り衣装を縫ってくれたりする姉らしい姉だった。

傘屋のお嬢さまは、まことにイケメンのお金持ちの、おぼっちゃの男性と結婚をした。
このイケメンの義兄もやさしく、おこずかいを良くもらったことだ。

いつまでたっても姉は姉。
私が和傘を型どったランプシェードを、あれ!欲しいな~とおねだりすると、快くくれた。

私ほど傘に執着がなかったのか?
それとも、いつもむちゃくちゃな妹の願いを聞き入れたらしい。

         

傘を作っていた子供の頃は住み込みの和傘職人もいて、我が家は一番、輝いていた時代かも知れない。

姉は蝶。私はあだ花。
私は末っ子だ。
家族から我が儘をゆれされて、悔いのない子供時代をすごした。

鬼籍に入った父祖、父親代わりだった兄夫婦。最もやさしかった長姉。
肉親は姉と私に。
逢うたび、私より元気でいてよ。。。と手をにぎる姉。
いつまでも
優しい姉の健康と、私も一日でも元気でいられるように、お月さまに願っている。

秋だ。そんな家族の事がしきりに想いだす、ランプシェードのほのかな明かり。

               

     @     ランプシェードもるるほのかな秋灯
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