Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

幽門狭窄

2006-12-19 | 医療・病気・いのち
 胃の出口を幽門といいます。

 そこに胃癌ができると出口が狭くなり、胃から食べ物が流れ出にくくなったり、完全に出なくなったりします。これを幽門狭窄といいます。

 何となく胃がもたれるという状態を半年くらい放置して、いよいよ食べられなくなって検査を受けたときには大きな胃癌、ということも時折あります。たかがいもたれ、と考えず症状が有れば一度は検査を受けることが肝要です。

 幽門の後壁を中心とした癌の場合には、胃の背側にある膵臓にまで直接入り込んでいる(浸潤している)ことがあります。その際は膵臓も一緒に取る、膵頭十二指腸切除術という大きな手術をすれば切除は可能な場合もありますが、既に他に転移を起こしていることが多く、再発する場合がほとんどです。

 早期に見つかれば、少なくとも胃癌で苦しむことは無いんだけどなあ。

播種性転移

2006-12-19 | 医療・病気・いのち
胃癌が転移を起こす場合、大きく3方向の転移が考えられる。
血液を介して肝臓や肺などに転移を起こす血行性転移。
リンパ液を介して起こすリンパ節転移。
直接お腹の中に広がる播種性転移。

このうち播種性転移が最も手術前に診断がつきにくい。
お腹を開けて初めて確認できることも少なくない。
典型的な場合は播種性といわれるように、まさに種を播いた様に、数㎜の白い粒状の転移巣が、お腹中に散らばっていることがある。

こうなっていると、手術をしても予後の改善が期待できないので、手術は中断となる。抗癌剤をお腹の中にまいて、お腹を閉じる。後は、癌化学療法に期待することとなる。