Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

生きたように

2006-12-23 | 想い・雑感
ある程度の年齢に達したら
自分の顔に責任を持てと言われる

今だ童顔の小生としては
なかなか耳の痛い言葉である

しかし それまでの生き様が顔に表れるというのは
それまでの生き様 つまり 生活習慣が体に反映されるのと同様
あり得ることであろう

生き様が病気に関係していることは多い

煙草を吸い酒を飲み
 肺ガン、食道癌、喉頭癌、咽頭癌、胃癌、大腸癌…
酒を大量に飲み続け
 肝硬変、肝癌、精神障害…
カロリーの過量摂取を続け
 高脂血漿、糖尿病、高血圧、脳梗塞、心筋梗塞…

人は生きたように死んでいくという面も
確かにあるのだろう

もちろん生き様とは関係ない
不条理な死もたくさんあるが

cure & care

2006-12-23 | 
緩和医療を語る際に cureからcareへ次第に移っていく模式図がよく示される

cureというのは積極的治療

careというのは対症療法など苦痛を取り除くことを第一義とした治療

しかし実際はcureからcareへなだらかに移行していくと言うより
ある時期から段階的に
トン トン と
careの割合が増える時期が波状に押し寄せてくる印象がある

近年 ホスピスやホスピス病棟が増えている
そのこと自体は喜ばしいことだと思うが
いよいよcureのみが求められる状態になるまでに
できることはたくさんあると思っている

cureができなくなるとホスピスを勧めるむきもあるようだが
普段 癌の治療を行っている医師が
もっと緩和医療の技術を身につけ
ホスピスや在宅ホスピスへの架け橋となれるよう努力するべき事項が多いと思う

私は 外科医として現役である間は
癌のあらゆるステージ
早期癌 進行癌 そして末期癌の段階すべてに
関わっていきたいと思っている

まずは根治を目指すが
それがかなわぬ時も諦めず
少しでも良い状態となるよう
本人と話し合いながら治療を進めていく
なかなか難しいことだが

呼吸

2006-12-23 | 医療・病気・いのち
 全身麻酔下に手術を行うためには、全身麻酔に耐えられる体でなければならない。心不全や呼吸不全が強く、麻酔をかけること自体にかなりの危険性を伴う場合には、手術以前の問題ということになる。

 必然的に私が接する患者さんの多くは、麻酔をかけることが可能な全身状態ということになる。

 気管支喘息の患者さんなどは、当直のときなどに軽症から中等症の方を診療することはあるが、重症の方を診療したことはない。恥ずかしながら、気管支喘息で死に至ることがあるという実感に乏しい。しかし、呼吸器科入院中の重症気管支喘息の患者さん2名を目にした。

 一人はICUに入り人口呼吸管理をしている。100%の酸素を送り込んでもなかなか血中の酸素分圧が上がらない。これが持続すれば恐らく死に至る。

 一人は10代後半の方。すでに1年間入院しているとの事。気管内操菅を何度か繰り返しており、以前気管切開までされていた方だが、今回再び気管切開が必要となった。

 かなり重症の発作を繰り返すような方は、確かに死の危険と隣りあわせだ。他の病気は二の次三の次ということになる。

 普通に呼吸できる有り難さを、改めて実感する。

 気管支喘息の患者さんから見れば、喫煙を続けて肺組織をいため続ける行為などは、信じがたいことであろう。

 

内臓脂肪

2006-12-23 | 医療・病気・いのち
 内蔵型肥満といって皮下ではなくお腹の中に脂肪が蓄積している状態が、生活習慣病と密接に関わりがあることがわかってきました。そこで注意を喚起する意味もあり、肥満特に内臓肥満が強い場合、メタボリックシンドロームという言葉をつけるようになりました。

 内臓肥満といわれてもぴんと来ないかもしれませんが、お腹のCTを撮ると肥満の強い人は一目瞭然。腸や腎臓を取り囲むように黒く抜けた脂肪を認めます。このような脂肪がある人は、高血圧、糖尿病、高脂血症などのリスクが高くなりますがそれだけではありません。

 お腹の手術が必要となった場合、このような方のお腹を開くと、脂肪の海。全面に黄色い脂肪が広がっています。そのような脂肪に臓器は身を隠すように存在しているのです。

 ある臓器に対する手術をする場合、そのような脂肪の中から見つけ出し、拾い上げていく必要があります。脂肪は脆く、その中の血管も弱いため、やせた方より出血が多くなる傾向があります。悪性疾患の場合は、リンパ節郭清が困難となり郭清が不十分となる可能性があります。脂肪は感染に弱いため、術後感染を起こしやすくなる可能性があります。保険でそれぞれの手術術式の値段は決められていますが、外科医の実感としてその何倍もの値段を付けて欲しいと思うほど、脂肪だらけのお腹の持ち主は手術を困難にします。

 肥満は、多くの面で体にリスクを抱え込んでいることを認識する必要があります。かく言う私も…。