Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

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ダンジーブログ

細菌感染

2007-08-05 | 医療・病気・いのち
人の体は様々な細菌に晒されています
目に見えないから平気で生活していますが
もしいきなりそのすべてが見えるようになったりしたら
ちょっと耐えられないような気がします

そんな細菌から体を守る防御機構の一つは皮膚です

皮膚には常在菌といって
当たり前に皮膚に棲んでいる細菌がたくさんいるし
毎日様々なものに触れ 細菌も一緒に皮膚につけているはずですが
皮膚があるから体の中にまでは進入してこないようになっています

ところが怪我をすれば
皮膚が破れ
そこから細菌が侵入することとなります
手術にしても皮膚をいったんは破るわけですから
どんなに消毒していても細菌の侵入を完全に防ぐことはできません

最初のバリアーである皮膚が破られると
次は免疫機構の出番です
免疫担当細胞や補体その他の働きで
よそ者の細菌を排除してしまうのです   が
細菌の方が幅をきかせるようになると
感染した状態となります
傷口だけでその感染がおさまればまだよいのですが
体中に広がってしまうことがあります

敗血症です

抗生物質を使用することによって押さえ込む必要があります
でも抗生物質を使用するにしても
その人の免疫機能が落ちていると
なかなか細菌を完全排除することは難しく
そうこうしているうちに
多臓器不全(肝、腎、肺、心などの重要臓器が一度に複数やられてしまう)
から死に至ることもあります

また近代外科学を支えているものの一つに
抗生物質がありますが
必ずしも抗生物質で対抗できる細菌ばかりではないことは
注意が必要です

肺炎は高齢者の死因の上位です
高齢男性の場合 心
疾患や脳血管疾患より肺炎で亡くなる方の方が多いと言われているのです
抗生物質でスパッとすべての病気を引き起こす細菌を
やっつけることができるのなら
肺炎で死ぬことは無いはずですよね