Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

胃という袋

2007-08-16 | 医療・病気・いのち
胃袋 と呼ばれるように
人がものを食べると
胃は袋状に伸びて食べ物を収めてくれます
その後食べ物をわっさわっさと混ぜるとともに
一部の栄養を消化しつつ
少しずつ十二指腸のほうへ内容を移送します

胃の切除を行った後に
残った胃は大きくなるのか
ということを時々聞かれます

残念ながら胃は大きくなりません
しかし食べることのできる量は少しずつある程度まで増えていきます

これは胃の動きと胃につなげた小腸の動きがそれぞれよくなっていくこと
胃と小腸の動きに協調性が出てくること
小腸での消化能力が高まり胃の小さくなった状態に適応してくること

などが総合的に働いて食事摂取量が増えているのだと思います

先日大食い選手権で有名な若い女性がテレビに出ていました
その方がたくさん食べた後のCT画像が紹介されていました
こんなに膨れる胃があるのか!
と思わず目を見開いてしまいました

これまで私は大食いの人は
胃から十二指腸のほうへどんどん食べたものが流れてしまうとともに
消化吸収のが弱い人なのだろうと何となく思っていたのですが
その人は食べたもののほとんどをいったん胃に溜め込んでいたのでした

通常はこうなる前に
胃が 「もうこれ以上膨らめない!」とねをあげてしまうはずなのですが
膨らんだという信号が脳に到達しないのか
胃の筋繊維に問題があるのか
はたまた別の機序なのかさっぱり分かりませんが
上腹部をすべて占有するほどに胃が膨らんでいるのです

驚きました
このかたがもし胃の手術を受けることがあれば
一気に食べられなくなるのでしょうね