Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

総括

2007-08-18 | 医療・病気・いのち
平均寿命が80歳前後となった現代日本において
壮年期と言われる年齢で
癌によって死が遠くないことを
伝えられて人に対して

いつかは人間死ぬものだ とか
昔は平均寿命が50歳くらいだった とか
言うことが何の慰めになるのだろうか
たとえそれが事実だとしても
その人の救いの言葉にはならないだろう

人は客観的に死を見つめるとき
言い換えると自分が死からまだ遠い存在と感じつつ死を語るときには
随分と分かったようなことを言いがちだ
それは私にもいえる

しかし壮年期における死は
やはり80歳 90歳における死とは
なにか違う対応が必要なのではないかと感じる

いきなり自分の人生の総括を求められるのである
まだまだこれから作り上げていこうとしていたのに
そろそろあなたの人生のまとめをしなさい と言われるのである

やり残したと感じるものの中から
一つ一つ断念していく無念さ

そこをどうケアすることができるのか
考えつつ実践していくことが大切なのだろうが
答えは一人一人違う上に
結局見つからないような気がしてしまう

マスク

2007-08-18 | 医療・病気・いのち
私たちは人と接するときに
様々な仮面を付けています
中には自分が気づかないまま付けている仮面もあるようです

人同士が 完全に分かり合うということはないにしろ
ある程度相手のことが分かるようになるためには
少しはこの仮面を取り去る必要があります

病院にやってくる患者さんだって
当然いろいろな仮面を纏ってこられます
ぱっと見た印象とその方の内面とには大きな隔たりがある
と思った方が良いようです

大丈夫 といいながらいろいろと我慢していたり
平気平気 といいながら自分の病に深く傷付き悩んでいたり
なんて言うのは当たり前にあると思って医療者は接する必要があります

ただターミナルケアの場面で仮面を取るというのは
お互いにとって勇気を そしてお互いの信頼 を必要とします
そこの所を抜きにしてケアは無いのでしょうが
怖さがあります