Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

切除すべきか否か それが問題だ

2008-10-02 | 想い・雑感
長い生物進化の中で
多くの種が地上に現れ
その大多数が消えていったそうである

いま地球に存在している生物は
淘汰を免れ生き残ってきたもの
無駄な臓器を持っている可能性はきわめて低い

癌に対する手術は
必然的に臓器を取ってしまう
生きるうえに役立っているものを取り去ることになる
それゆえの機能低下は
程度の差はあっても避けがたい

機能低下を極力少なくするために
癌の進行に応じて切除範囲を決めることになる
非常に進行した場合には
切除しないという選択も重要になる
患者さんにとっては手術ができないという選択になる
治癒の可能性が低いという宣告になる
だから何とか手術の可能性を探ることになる


検査を組み合わせ
総合的に判断しても
切除可能か否か 切除の意味があるかどうか
どうしても決められず
開腹して判断することがある

そして開腹しても手術を続行するべきがどうか
判断のつきかねることがある

判断の結果がより良いものだったかどうかは
時が経過しなければわからないが
そのとき その瞬間に判断するしかない
同じような状態に見える場合も
見えないところで差があるのだろうが
その差は見えない
見えないところまで見通すのは
神の領域である


判断の結果が思わしくなかった場合

ああしとけばよかったかな・・・
あれはしないほうが良かったのか・・・
必ずしも答えのない 自問自答を繰り返す

学会や論文発表という他の医師の検討からも学び
明日の診療に結び付けていく

ただそれでも別の判断をしたほうが良かったかどうかも
わからない場合が多いのだが・・・