Dr. 鼻メガネの 「健康で行こう!」

ダンディー爺さんを目指して 日々を生き抜く
ダンジーブログ

奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて②  --セカンド・オピニオン--

2010-02-12 | 想い・雑感
 身近に、「めちゃくちゃだなぁ」などと思う医療機関を知らないので、山本病院にまつわる報道には驚かされる。あらためて、セカンド・オピニオンを有効に機能させる必要を感じた。
 セカンド・オピニオンは、診断や治療方法について、目の前の主治医以外の意見を聞くものと説明できるだろうか。要するに、「私の主治医はこういう治療が良いという意見でありますが、あなたはどう思いますか。」と他の医師に尋ねてみるのである。
 私もこれまで、何度かセカンド・オピニオンを求められたが、主治医の意見で非常識なものを経験したことはない。だから、セカンドオピニオンは、念のために他の医師に聞いてみるということと、複数に意見を聞くことにより患者や家族自身が納得するということに意義があるのだろうと思っていた。
 ところが、山本病院である。診断、治療、説明から保険請求まで、全てがいい加減な病院が存在するわけである。病院というより、山本医師自身の問題が多大な部分を占めているのだろう。こういう医師が存在するのなら、まさにセカンドオピニオンは必須のものとなる。説明に疑問があるなら、ぜひセカンドオピニオンを依頼することを勧めたい。もしその依頼を断る医師なら、さっさとそのもとを離れるほうが安全である可能性が高いかもしれない。

奈良県大和郡山市「山本病院」肝切除事件を聞いて①  --手術とは--

2010-02-12 | 想い・雑感
 この病院の前理事長に関するニュースが随分出てきている。その中でも、肝切除に関するニュースは、その内容が本当ならば外科医としてとても信じがたいことである。容疑者の段階でブログに綴るのは止めておくつもりだったのだが、その内容のひどさから、どうしてもすこし書いてみたくなった。
 病気の治療法方にはいくつかの選択肢がある。なるべく患者に対して無理がかからず、なるべく有効な治療方法を選択することになる。病気によっては、治療の選択肢として外科手術が選択される場合がある。手術は必ず危険を伴なう治療方法であり、患者にとっては痛みを伴なう治療方法であるから、その選択には慎重さが求められる。考慮のうえ、手術によって得られる患者にとっての利益が手術の危険性を凌駕していると判断したときに、初めてそれが選択されることになる。
 外科医は手術が好きである。また好きでなければ、外科医を続ける資格がないと思う。外科医という職業に最も大きな喜びを見出せるのは、どうしても手術が必要な患者に対し、きちっとした手術を行い、病気を治せた場合である。不必要な手術など、患者は当然されたくないし、外科医だってしたくもない。そこには、何か役に立つことができたという達成感が、全く欠落しているのだから。
 山本医師のように、診断を偽ってまで手術を行い、しかも経験のない手術に手を出し、患者の命を奪うなど、言語道断である。現在の報道がすべて正しいのなら、まさしく殺人であろう。