どことなく、ごつい印象のあるビワの木。漢方の世界では「大薬王樹」と呼ばれ、様々な民間療法に用いられているといいます。
もっとも、個人的に馴染みが深いのは「実」の方で、初夏に出回るオレンジ色の実は素朴な甘さがたまりません。
そして、ビワの花はなんと、この季節にひっそりと咲いているのです。
虫の数が減る初冬に咲く変わり者。毛でおおわれ、モコモコとしているのは、寒さ対策なのかな?
虫は減るけど、この時期に咲く花も少ないので、そういう意味では市場独占。虫だけでなく、メジロなどの鳥類も蜜を求めてやってきます。
ビワって、野生でも実るのに、なんであんなに高価なのかと思っていたけど、どうやら栽培にはいろいろと手間がかかるらしいです。
その中でも面倒そうなのが、「花もぎ」。写真を見てわかる通り、ビワはたくさんの花をつけます。1本の枝に100程の花を咲かせるらしいのですが、これを30ぐらいに減らす作業を「花もぎ」と言うそうです。更に実がなった時点で今度は3つまで減らすんだとか。高さもあるので大変な作業ですよね。
でもそうしないと、実が小さくなって売り物にはなりません。野生のものと市販のもので大きさが違うのは、そういう苦労があるからなんですね。
また、ビワの実は痛みやすいため、一つひとつに袋をかけたり、輸送にも細やかな配慮がされているんだそうです。
撮影していてふと思い出しました。
そうだ、ビワの葉で染めものをすると、なんとピンクに染まるらしい…。夏にアサガオの花びら染めにハマったときに、そんな記述を読んだことを思い出したのです。
ならば、試してみなくては…。
葉っぱを切って鍋にかけてはみたけれど、普通に緑色~。あれあれ?ピンクになるはずでは…。ちなみに、本当は染色液だけにしてから染めるんだけど、面倒なので、染色液を作りながら麻紐を投入して、葉っぱと一緒にぐつぐつ煮ちゃいました。
見た目、お蕎麦みたい…(笑)
最初こそがっかりしたのですが、もう一度調べてみると、ビワの葉はアクが強いので、「一度湯をこぼし、再度煮る」とあります。
なるほど、時間をかけて煮出していくと、たしかに赤茶の染色液になりました。
ただ、葉っぱの量が少ないのか、煮出す時間が足りなかったのか、思ったよりも薄い色にしか染まりません。以前写真で見たものは、もっと茜色に近い仕上がりでした。次は、葉の量を多くして再挑戦してみようかなぁ。
右側は対比のためのあ染色前の麻紐です。それにしても、緑の葉からピンクの染め物ができるなんて、ものすごく不思議です。
遊んだ後の葉っぱ↓
葉軸のあたりが赤くなっています。モミジが赤く紅葉するのは、落葉の準備が始まると、糖が不要になってアントシアン(赤色色素)に変わるため。また、黄葉については、もともと葉に含まれているカルチノイド(黄色)が葉緑素が破壊されることで浮かび上がってくるんだとか…。
しかしながら、酸性で赤みを増すアントシアンと違い、ビワの葉の色はアルカリ性で赤みを増すようです。ですからビワの場合は、カルチノイドのようにもともと何らかの色素を持っていて、普段は葉緑素で見えないとか…。謎が残ります。
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