4月14日
国立ハンセン病資料館で上演された
アイヌの少女の物語
「神々の謡」を観てきた。
舞香さんという女優さんが演じる知里幸恵さんの物語。
アイヌでクリスチャンで日本語堪能、若くして金田一京助に見込まれ、アイヌ語をローマ字表記しカムイユカラというアイヌの信仰する神々の謡を日本語にするという偉業を成し遂げ19歳で逝去。
舞香さんの舞台は一人芝居で、何役も演じ分け1時間半ほど台詞を言い続けることになる。
いわさききょうこさんという美しいシンガーソングライターが横でずっと挿入歌や音楽、効果音で支えている。
国立ハンセン病資料館という特別な場所からの発信ということで、東村山市長も駆けつけてほぼ満席となった会場は、時空も立場も超越してアイヌの文化に包まれ、人権問題を考える世界となった。
明治政府のもとアイヌ民族を和人化するということは歴史の流れの中で止めることはできなかったのだろう。が、心臓が弱いことを理由にしつつも、アイヌ同士の結婚は許されないと言われ恋を諦めた幸恵、アイヌには見えない、和人のようだと言われて悩む幸恵、幼い金田一春彦が夢中になって昆虫採集をする姿を見て、表記文字を持たないアイヌ語を文字にすることは罪ではないかと悩み苦しむ幸恵、
喜びが苦しみに、苦しみから喜びに、と思いきやまた苦しみに、クルクルと幸恵の心は時代や世間に、そして自分の信じる神にさえも翻弄され続ける。
いつしか私は、日本が名前を言えない彼の国の自治区になったらと想像していた。