はせがわクリニック奮闘記

糖質制限、湿潤療法で奮闘中です。
パーキンソン病にはグルタチオン点滴を
癌には高濃度ビタミンC点滴も施行中です。

チェット・ベイカー BORN TO BE BLUE

2017年01月29日 | 映画




26日の木曜日は午後休診を利用して、電気館で上記映画を観ました。

邦題は、”ブルーに生まれついて” とありますが、直訳すれば、”ブルーになるために生まれて”、チョッピリ気取って訳せば、”ブルーになるべく生まれて” でしょうか。
すぐに思い出してしまいましたが、私が中学生の頃、”野生のエルザ” なんていう映画があって、そのテーマソングが ”BORN FREE” でした。

さてチェット・ベイカーですが、1929年生まれのトランペット吹きで、歌手でもあります。
若くしてブレイクし、JAZZ界のジェームス・ディーンと呼ばれました。
しかし、酒と女とヘロインでボロボロになり、この映画にも出てきますが、前歯をすべて叩き折られてペットが吹けなくなります。
10年以上もJAZZ界から姿を消しますが、1970年代に復活してきます。
しかし孤独な青春を連想させるような独特のフレーズは輝きを失っていました。
このことについて村上春樹は次のように述べています。
ベイカーはジェームズ・ディーンに似ている。
顔立ちも似ているが、その存在のカリスマ性や破滅性もよく似ていた。
彼らは時代の一片を貪り食べ、得た滋養を世界に向かって気前よく、ほとんどひとつ残らずばらまいた。
しかしディーンとは違って、ベイカーはその時代を生きのびた。
ひどい言い方かもしれないが、それがチェット・ベイカーの悲劇でもあった。






もう少し村上春樹のベイカー評をアップします。
ベイカーの作り出す音楽には、この人の音色とフレーズでなくては伝えることのできない胸の疼きがあり、心象風景があった。
彼はそれをごく自然に空気として吸い込み、息吹として外に吐き出していくことができた。
そこには人為的に工(たく)まれたものはほとんどなかった。
あえて工むまでもなく、彼自身がそのまま「何か特別なもの」だったのだ。
しかし彼が「特別なもの」を維持できた期間は、決して長い物ではなかった。

輝きは夏の盛りの美しい夕暮れのように、いつしか闇に飲み込まれていった。

この、輝きは夏の盛りの・・・・・ の一文を、私はとても気に入って、毎年、夏の夕暮れ時には反芻するように思い出します。

さて、私が高校時代に買ってもらった世界ポピュラー音楽全集のJAZZ編にチェット・ベイカーの My funny Valentine が入っていました。
当初は女性ボーカルだと思いこんでしまいましたが、それほど中性的な声質なのです。
その曲はこのアルバムに収録されています。



私はこのCDを持っています。



もうすぐバレンタインデーです。
そこで、この曲の歌詞をアップして和訳してみます。

My funny Varentine, sweet comic Valentine, you make me smile with my heart.
Your looks are laughable, unphotographable, yet you’re my favorite work of art.
Is your figure less than Greek?
Is your mouth a little weak?
When you open it to speak, are you smart?
But don’t change a hair for me.
Stay little Valentine ,stay!
Each day is Valentine’s Day.  

俺の可愛いバレンタインよ、甘くておかしなバレンタインよ、おまえは俺を心からニヤリとさせるぜ。
おまえのルックスは笑かせ物だし、写真にも耐えないが、それでも俺にとっては大好きな芸術作品なんだ。
おまえのスタイルはギリシャ彫刻に負けてねえか?
おまえはしゃべくりがぜんぜんダメだよな、ちゃんと利口なのか?
しかし俺のために髪型を変えたりするなよ。
そのままでいいんだバレンタイン、そのままで居てくれよ。
そうすれば毎日が、俺にとってはバレンタインデーなのさ。

さて70年代に復帰したベイカーですが、ヘロインを絶つことができませんでした。
そのことはアメリカでは合法的に生きていけないことを意味します。
ベイカーは法律の緩いヨーロッパを中心に音楽活動を続けます。
晩年の残念な写真をアップします。



ベイカーは58歳でオランダのホテルから転落死します。
部屋にはヘロインが残されていたそうです。
事故か、自殺か、殺人かは不明のようです。
しかし、部屋はホテルの2階だったので、自殺や他殺は考えにくいのではないでしょうか.....

さて、この映画の評価ですが、B級にとどまります。
ベイカーに憧れてない方は、観ても面白くないでしょう。




昨日の答えです

2017年01月25日 | 読書
おこがましい(痴がましい)問題でしたが

櫛比の櫛はクシのことです。物が櫛の歯のように隙間無く並んでいる状態です。しっぴと読みます。

腥いは、なまぐさいです。

嗤笑は、ししょうと読み、あざ笑うことです。

甚くは、いたくと読みます。

は、はこと読み、箱の同義語です。

毟るは、むしると読みます。

抛擲は、ほうてきと読み、物を放り投げっぱなしにすることです。

廂間は、ひあわいと読みます。廂は家屋のひさしです。廂と隣の家屋の廂との間の狭くて陽がが当たらない空間のことです。

天鵞絨は、ビロードと読みます。三好達治の乳母車という詩で覚えました。

寝むは、やすむと読みます。

誑かすは、たぶらかすと読みます。

嫋々は、じょうじょうと読みます。嫋々たる美女は、たおやかな美女です。嫋々たる柳は、しなやかな柳です。

猥りは、みだりと読みます。猥らななどはよく使いますが、猥りがわしいという表現は初めて見ました。

縹渺は、ひょうびょうと読みます。広く果てしないさま、かすかではっきりとしないさまのことです。

坩堝はるつぼです。高温で液状化した鉄や銅を入れる壺です。アメリカは人種の坩堝だ、などと使います・

さて、明日からは飲み方の3連チャンが待っています。

南部医師会の新年会、某医薬品メーカーとの接待、木曜会です。

それに備えて、今夜は節酒します。

痴がましいようですが.....

2017年01月24日 | 読書
前回、漢字の読み方クイズをアップしましたが、昨夜妹夫婦から電話がありました。
まあ、慎ちゃんがついているので、ほとんど正解したようです。

ところで、”死神と呼ばれた女” には更に難しい漢字が使われています。
ふりがな付きでしたので、読めるのは読めるのですが、意味の分からないものもありました。

高難度ですので、ヒントになる文例をつけて出題します。

商家の櫛比する大通り



嗤笑する

く感動した





抛擲する

廂間の風が窓から流れ入って

天鵞絨



かす

嫋々たる美女

りがわしい

縹渺たる荒野

坩堝

どうでしょう?
慎ちゃんでも6割がやっとかな?
妹はトライするべきでは無いかも.....






ハンディキャップ 2

2017年01月22日 | ゴルフ
昨夜はT君と刺身の店、”天草” での一次会でスタートし、”バーコロン”を経由して、スナック、”ガウディ”に行きました。
そこへ常連であるS先生が参加して来ました。

S先生との出会いは20年以上も昔に遡ります。
当時私は健軍町の自衛隊通りにある焼き肉屋に足繁く通っていました。
その店が時々主催するゴルフコンペにS先生が初めて参加してきたのです。
毎回参加者10数名の小さなコンペで、100をなんとか切れるのは2、3人という低レベルな大会です。
そのコンペでS先生はぶっちぎりで優勝しました。
スコアはなんと70だったのです。

それをきっかけに、時々一緒にラウンドさせていただきました。
当然ですが隙のないゴルフです。
飛距離もすごいのですが、寄せとパットでも毎回見せ場を作ってくれます。
年齢は61歳くらいですが、現在、”あつまるカントリークラブ” でのオフィシャルハンディは2です。

春と秋には自分のクリニック主催でゴルフコンペを主催されます。
10組を超えるような大コンペですが、私も時々参加させてもらいます。
昨年の秋にも参加したのですが、S先生は78でベスグロを獲得しました。
そのときのコメントは、”78も叩いてのベスグロは申し訳ない気がします。” というものでした。

78も叩いてですか.....憧れを通り越して、首締めてやりたくなりますよね....

酔っ払った勢いで、私はS先生と、3月12日に城南ゴルフクラブでプレーすることになりました。
他のメンツはT君とガウディーのマスターです。

練習するモチベーションが生まれました。


死神と呼ばれた女

2017年01月21日 | 読書


読売新聞の書評を参考にしてネットで注文しました。

読み出してしばらくすると、何となく作者は女性だと勘違いしてしまいました。
登場人物は、ほとんどがあり得ないようなキャラのオンパレードで、全く深みがありません。
主人公は40歳の女性である斎(いつき)です。
古本屋で夫を助けながら中学生の娘を育てていますが、夫からDVを受け、姑からはいじめられています。

斎の両親は彼女が15歳の時に相次いで死亡しています。
斎と、その弟は、父親の開業医仲間で大親友であった海老原総合病院の院長に引き取られて育ちます。
院長には斎よりも1歳年下の娘である朔子と、数歳年上の長男がありました。
この朔子が古典的な手法を駆使して斎をさんざんいじめます。
院長夫人も斎を罵ります。
この、昔のちゃちな少女漫画のようなイジメストーリーがいつの間にか私に女流作家を連想させたようです。

斎の初恋の教師は不慮の事故(飛び降り自殺の巻き添え)で死にます。
母親は脳出血で死亡し、父親も水死します。
さらに小学生だった弟も交通事故で死にます。
斎は自分の愛する人たちが次々と死んでいくことから自分自身を死神のような女だと自覚します。

娘を置いて家を出た斎は、再び海老原家の昔の部屋に戻ります。

その後、一回り以上も若い、純朴な派遣社員である志田と肉体関係を結びます。
さらに、志田の推薦で、潮という薬学系のエンジニアとも寝ます。
3人は仲良く愛し合っていきます。

端折りますが、後半のストーリーは何故かファンタジーに様変わりしていきます。

読み終えた感想は最悪でした。
こんなお馬鹿な小説を出版することが許されるのだろうか?
出版してもらえるようなレベルには到底達していないと思いました。

この女は何者だと見てみると中島丈博!.....男でした。
しかもプロフィールを見ると、私よりも16年先輩の脚本家でした。81歳ですか....
NHKの大河ドラマ、”草燃える” ”炎立つ” ”元禄繚乱”
昼ドラ、”真珠婦人” ”牡丹と薔薇” などの台本を手がけたようです。

おどろおどろしいシーンの連続は脚本家の性なのでしょうか。
あるいは映像化を狙っているのかもしれません。
映像化されたならばチャチな視聴率がとれるのかもしれませんが、小説としては、お薦めできません。

ところで、この作品では、作者が高齢なためか、かなり難しい漢字が使用されています。

鐚一文、肩を聳やかして、目を瞠って、相好を崩して、渉猟する、夥しい、吃驚した、.....読めるかな、妹よ?

さて、先週の土曜日はT君とステーキの”島崎”に行きました。
まずは生ビールを1杯ずつ飲んで、私はウィスキーのボトルキープを頼みました。
もともとキープ制など無い店なのですが、私とT君が1杯売りで飲むと、天文学的な?料金が発生します。
特別に近所の酒屋さんからジョニ黒を配達してもらいました。
そして、当然ではありますが、きちんとそいつを飲み空けて、2次会の、”ガウディ”に向かいました。

今夜も7時から、”天草”で飲む予定です。
天草にはちゃんとサントリーの角がキープしてあるので安心?なのです。