今日は上記映画を観ました。
まあ、面白くはあったのですが、なんだかテレビドラマの劇場版みたいな印象で、大して製作費を注ぎ込んでないような印象を受けました。
お薦めとは言えない作品ですので、ネタバレでアップします。
1950年代前半のアイルランドでは、未婚で妊娠した10代の少女たちは修道院に収容されます。
カトリックの国ですので、堕胎は絶対に禁止です。
修道院内で出産して、その後4年間は、そこで、お礼奉公をせねばなりません。
つらい仕事が続く毎日ですが、一日に一回だけ、自分の子供と接することができるのが唯一の楽しみであり、生きがいでもあります。
しかし、当時の修道院は、そういった子供たちを、里親を探しては次々とあてがっていたのです。
ヒロインであるフィロミーナも、連れ去られて行く息子マイケルを、泣きながら見送るしかありませんでした。
マイケルは1952年生まれという設定ですので、私の1歳年下になります。
まさに私が生まれたころのストーリーですよね。
さて、場面は50年後に切り替わります。
結婚して、夫に先立たれたフィロミーナは、生きていたなら50歳の誕生日を迎えたはずのマイケルの存在を、娘に初めて明かします。
そして、何度か修道院を訪れてマイケルの行方を尋ねたが、相手にしてもらえなかったことも。
娘は、たまたまパーティーで出会ったジャーナリストのマーティンに捜査を依頼します。
興味を抱いたマーティンはフィロミーナに同伴して修道院を訪ねます。
しかし、すべての記録は大火事で燃えてしまったためにわからないと、にべも無く追い返されます。
落胆したマーティンでしたが、修道院のそばの飲み屋で、恐るべき情報をゲットします。
それは、大火事では無く、裏庭の物置に火を点けて、証拠書類を燃やしただけのものであったこと。
そして、里親ではあるものの、実際には、子供たちは一人1000ポンドでアメリカ人に売り払われていたという事実です。
意を決したマーティンはフィロミーナを伴ってアメリカへと調査に旅立ちます。
アメリカには里親の記録が残っていて、あっさりとマイケルの消息が判明します。
マイケルは大統領側近の政務補佐官にまで出世したものの、1995年に死亡していたのです。
フィロミーナは、それでも、アイルランドを、そして自分のことを、マイケルが思い出してくれていたという確信をつかむべく、周りの人々との面会を続けます。
しかし、マイケルが実はゲイだったことなどが判明しますが、アイルランドや母親の話を聞いたことのある人物は現れません。
最後に、そのゲイの相手だった男の自宅を訪ねます.
そこで見せられたビデオには驚くべき映像が残っていたのです。
エイズの末期であったマイケルは、アイルランドの例の修道院を訪れていたのです。
マイケルもまた母親の行方を捜していたのです。
すなわち、修道院側は、母親にも息子にも、知らぬふりを貫き通したのです。
マイケルの墓は本人の希望で、修道院の中に作られていました。
以前にも、"太陽とオレンジ"という映画作品をアップしましたが、英国の子供たちは結構悲惨な目に遭うことが多いように思えます。
さらに想い起せば、昔、"オリバー・ツイスト"なんていう映画もありましたよね。
なんだか、英国では子供たちの人権が、まるでないがしろにされているようにも見えます。