今年も世界糖尿病デーがやってきました。
そして今年も読売新聞に糖尿病学会の門脇孝理事長と糖尿病協会の清野裕理事長の広告が掲載されました。
例によって糖尿病にならない7か条です。
これまでと違うのは、
こうすれば絶対に糖尿病を防げるという必勝法則はありません。という一文が追加されたことです。
これって敗北宣言のようにも聞こえますよね。
糖尿病の患者さんたち一人ひとりに、ケースバイケースで、低脂肪のバランス食を与え、運動を勧め、投薬を死ぬまで続けていくつもりなのでしょう。
さて、今年も7か条を一つずつ批判していきます。
① ですが、誰がどのようにバランスを決めるのでしょうか?
また、そのバランスの科学的な根拠はどこにあるのでしょう?
九州大学が久山町で十数年にわたってバランス食と運動を指導したのに糖尿病患者が激増したことへの反省はないのでしょうか?
② ですが、夜食、間食に走るのは空腹が原因なのです。
バランス食と称して3度3度炭水化物を摂取させ、患者さんによってはインシュリンの分泌を促す薬や、インシュリンそのものが投与されます。
このことが反応性の低血糖を引き起こしてしまうのです。
低血糖は生命のピンチですから、脳は空腹だよというシグナルを強く出し、夜食間食を食べるように仕向けるのです。
この、反応性の低血糖による空腹を、毎日我慢することは ⑥ のストレス解消と矛盾してしまいます。
③ はアルコールという単語で、様々な種類の酒を、それぞれが持つ糖分を無視して指示しています。
血糖値を上げるアルコールと血糖値を上げないアルコールがあるのをご存じないのでしょうか?
私の推測ですが、東京大学と京都大学の医学部を卒業された優秀な先生ですので、当然ご存じだと思います。
ただ、このお二方には、血糖値は上がるものであって、上がるのが当たり前だというコンセプトが見え隠れするのです。
血糖値が上がる食べ物や飲み物を敬遠しようというコンセプトは、意地でも否定しようとしているように見受けられます。
④ ですが、体重を増やすのはインスリンなのです。
糖尿病の患者さんに、インスリンを分泌させる薬やインスリンそのものを投与すると、当初は血糖値もHbA1Cも改善しますが、
やがては体重増加が起きることを糖尿病専門医は頻繁に経験しているはずです。
インスリンで血糖値が下がるのは、インスリンが血液中のブドウ糖を他の組織に押し付けるからなのです。
とくに、余ったブドウ糖がインスリンによって中性脂肪という形で皮下脂肪、内臓脂肪に貯金されることが、肥満の重大なメカニズムなのです。
① で脂肪の摂取に注意と書かれていますが、摂取した脂肪が皮下脂肪や内臓脂肪や血液中の中性脂肪に結びつかないことは
私の4年以上にもおよぶ糖質制限歴のデータが示唆していますし、他の多くの糖質セイゲニストも経験されておられます。
⑦ ですが、禁煙で糖尿病が予防されたというエビデンスが存在するのでしょうね。
禁煙で肺がんやCOPDが予防されるというデータはかなり発表されていますが、
禁煙と糖尿病の関係についての発表論文を私は目にしたことがありません。
私の勉強不足でしょうか? どなたか御教授を。
最後になりますが、必勝法則はあると思います。
そう、糖質制限こそが必勝法則なのです。
血糖値を上げるのは炭水化物だけなのだから、炭水化物の摂取をやめれば、インスリンも不要になるのです。
炭水化物は、おいしいけれども、人間にとって全く不必要な食べ物なのです。
癌や脳卒中、心筋梗塞、認知症などのリスクを考慮すれば、タバコやコカインなどと同様に敬遠すべき食べ物なのです。