シャルル・ヴァランタン・アルカンという作曲家は
今ではあまり知られていません。
時代としては、ショパン、リストの少し後、
ブラームスとほぼ同時期のフランスの作曲家です。
ピアニストとしては非常に優れた人で、
ある本では「リストと並ぶ名手だった」とされています。
ただ、ひっこみ思案で公開演奏をすることが嫌いだったようです。
作品についても、作曲家のブゾーニは
「リスト以後のピアノ曲史上もっとも偉大な業績」
と語ったそうです。
どういう経緯でアルカンを知ったかは忘れましたが、
最初に買ったCDがこの前奏曲集でした。
ショパンの前奏曲集に影響を受けているようですが、
25曲は3つのグループに分けられており、
表題が付けられている曲も少なくありません。
ピアノ曲はあまり聴く方ではありませんが、
なんとも不思議な雰囲気の曲ばかりでとても気に入り、
その後もいろいろCDを買いました。
「48のモティーフ集」という小品も素敵な作品です。
(ローラン・マルタンというピアニストの演奏がまた素晴らしい)
アルカンが残した作品のほとんどはピアノ曲ですが、
かなり変な作品もあります。
「ある鸚鵡の死によせる葬送行進曲」という題の曲ですが、
四部合唱と3つのオーボエ、1つのファゴットという編成です。
かなり"変わった"人でもあったようです。
「ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン」では
練習曲「鉄道」という作品を聴く予定です。
走っている機関車を表現した曲ですが、
演奏が極めて困難な曲なので、生で聴けるのがとても楽しみです。