老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

949  最後の風景

2018-12-23 03:57:23 | 老いの光影
 最後の風景

病室の窓からは
北病棟に遮られ
関東平野を臨むことができない
窮屈な病室にある

病室で
今年を振り返った
かかわらせて頂いた老人
6人の顏を思い浮かべた

何処で死を迎えるか
  自宅     3人
  老人保健施設 1人
  病院     2人

誰に見守られながら逝くのか

幸せだったかどうかは
あの世に旅立った
本人にしかわからない

最後はどんな風景を見ながら
自分は逝くのであろうか

死ぬとき
自分は何を想うのであろうか

後悔を抱きながらは死にたくないけれど
老いのなかに在る自分は
後悔で燻っている

人生の砂時計ではないが
残された僅かな時間だけでも
後悔はしたくない

自分はどう生きるか
いまなお
悶々としている老いぼれ人

歌を忘れたカナリヤ
空を飛べなくなった鳥
歩けなくなった老人
それでも
生きて良かった、と
感じていきたい



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