老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

951 「失敗」と「後悔」

2018-12-24 17:22:03 | 老いの光影 第4章
 「失敗」と「後悔」

「失敗」を怖れず
新しいことや難課題に挑む

「失敗」の体験から
次の成功が生まれる

そうは言っても
なかなか「失敗」から
立ち直ることできず
ひきずってしまう

「失敗」は
取り戻すことができる

「後悔」は
取り戻すことができない

白髪交じりの頭
皺が増えた顔
老けたなあ、と思ったとき
自分の人生を振り返ると
「後悔」の二文字が滲む

何をしてきたのであるか
これと言って
これをやり遂げたというものはなく
誇れるようなこともない

いったいなにをしてきたか
いまさら
後悔してみても
やり直しはきかない

いままでできなかったこと
老いてなお
なにかができるのであろうか
半世紀の時間をかけできなかったこと

果たして老いから死までの残り少ない時間で
なにかを遺すことができるはずもない

しかし
後悔のまま死を待つのも
苦痛であり惨めでしかない

最後の足掻きでもいい
老いてからでもいい
生きたという証明(あかし)を
感じとっていきたい


明後日
病院から「出院」する

娑婆は
冬至過ぎ Xmasも過ぎようとしている
隣りの中国では
Xmasは禁止とか



950 異常と正常の差別

2018-12-24 01:41:48 | 読む 聞く 見る
 異常と正常の差別

入院生活は
非日常的な時空間にあり
腎臓食の献立のため
毎日変わりばえのしない食事
正直「美味しくない」が
食べている

何もすることがない
テレビはあるが
観たい番組が少ない

自宅から
8冊の文庫本を持ってきた

6冊読み終わり
いま約700頁もある分厚い文庫本
武田泰淳の『富士』中公文庫
読んでいる

富士に見おろされる戦時下の精神病院
桃園病院を舞台にしている。


「(精神病)患者の症状は、
人間として許されてあると思考しなければならない。
それは結局、
人間にとって、
あらゆる生き方、あらゆる動き、あらゆる錯覚に
許されてあるという見解を
保持することを意味する」(123頁~124頁)

「すべてが許されてあるのに、
何を苦しんで
異常と正常の差別をつけ」
るのか。 (124頁)

何を基準に
異常と正常を判断するのか
正常と思っていても
異常であったりする

戦時下を舞台にして書かれた小説
当時の日本は
軍国主義の最中にあった。
戦争は狂気
その時代における思考
何が正常で
何が異常であったか