子を思う老親
昨日退院後
110歳サタ婆さんに会いに行った
病院併設の老人保健施設S
一階通所リハビリのホールで待っていると
介護用ベッドに乗せられたサタさん
二階の居室からベッドごと移動
車椅子に座れるのに
車椅子に乗せるのが面倒なのであろうか
心配していた熱は下がり〝ホッと〟した
私の顔を見て
誰だかわかり 〝福島から来たのか〟と言葉をかけてくれた
〔妻の母方祖母〕
額に手を当てると
本当に熱はなく
優しく手を握る
笑顔が溢れた
サタ婆さんは無言の「言葉」で
話しかける
寝たきりではないのに
介護ベッドに寝かせられている
いつも横にさせられているので
見えるのは白い壁だけ
食べるときもベッドの上
尿意があるのに管を挿入された
手助けさえしてくれれば
立つことや立ち上がることだって「できる」
洋式便器にも座れる
なのにお股に異物があり
落ち着かない
できるものならトイレで用を足したい
介護ベッドから車椅子に乗せ
トイレまで連れて行き
洋式便器に腰かけさせることが
他人様の手を煩わせ面倒をかける
「仕方ないか」
老人保健施設はリハビリができ
医師も看護師も理学療法士などの医療専門職がいる
椅子に座れるのに
狭い介護ベッドに寝かせられたまま
死を待つのは嫌だ
寝たままでいると
心臓も肺も筋力も体力も思考力も弱くなり落ちて行く
それを〝廃用症候群〟ということは
老人保健施設の医療職ならば誰もが知っている
手が足りないから
手間がかかるから
110歳で無理してはいけないから
介護(ケア)とは
本来手間のかかるものである
介護とは
人間回復の営み
長男夫婦も高齢になり85歳
一緒に暮らすこともままならなくなってきた
ここで(老人保健施設)お世話になるしかない
〝また来るね〟と手を握る
〝気をつけて帰れや〟と老いた子に言葉をかける
介護ベッドごと 二階に移動する
サタ婆さんを見送る
昨日退院後
110歳サタ婆さんに会いに行った
病院併設の老人保健施設S
一階通所リハビリのホールで待っていると
介護用ベッドに乗せられたサタさん
二階の居室からベッドごと移動
車椅子に座れるのに
車椅子に乗せるのが面倒なのであろうか
心配していた熱は下がり〝ホッと〟した
私の顔を見て
誰だかわかり 〝福島から来たのか〟と言葉をかけてくれた
〔妻の母方祖母〕
額に手を当てると
本当に熱はなく
優しく手を握る
笑顔が溢れた
サタ婆さんは無言の「言葉」で
話しかける
寝たきりではないのに
介護ベッドに寝かせられている
いつも横にさせられているので
見えるのは白い壁だけ
食べるときもベッドの上
尿意があるのに管を挿入された
手助けさえしてくれれば
立つことや立ち上がることだって「できる」
洋式便器にも座れる
なのにお股に異物があり
落ち着かない
できるものならトイレで用を足したい
介護ベッドから車椅子に乗せ
トイレまで連れて行き
洋式便器に腰かけさせることが
他人様の手を煩わせ面倒をかける
「仕方ないか」
老人保健施設はリハビリができ
医師も看護師も理学療法士などの医療専門職がいる
椅子に座れるのに
狭い介護ベッドに寝かせられたまま
死を待つのは嫌だ
寝たままでいると
心臓も肺も筋力も体力も思考力も弱くなり落ちて行く
それを〝廃用症候群〟ということは
老人保健施設の医療職ならば誰もが知っている
手が足りないから
手間がかかるから
110歳で無理してはいけないから
介護(ケア)とは
本来手間のかかるものである
介護とは
人間回復の営み
長男夫婦も高齢になり85歳
一緒に暮らすこともままならなくなってきた
ここで(老人保健施設)お世話になるしかない
〝また来るね〟と手を握る
〝気をつけて帰れや〟と老いた子に言葉をかける
介護ベッドごと 二階に移動する
サタ婆さんを見送る