老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

969. 春を告げる福寿草

2019-02-23 13:20:41 | 老いびとの聲
春を告げる福寿草

路端を歩いていたら
福寿草が咲いていた
見ていると
幸せな気持ちになり
春の訪れを告げる
福寿草

まだ北風が吹き
寒い日があっても
黄色い花いっぱいに
咲く福寿草

968 痛みと傷

2019-02-23 07:45:14 | 老いびとの聲
那須高原の風景/裸木、枯れ草のなかに緑が生えてきた、春よ来い
痛みと傷

痛み

痛みは目に見えず
痛みは当の本人しかわからないだけに
看護師は尋ねる
「最高の痛みを《10》としたらいくつですか」

妻は曰く
当の本人は痛い、と訴えているのだから
聞くまでもなく「10」ですよ

麻酔をかけずにメスで皮膚を切ったときの痛みが
「10」なのか

いま自分の右膝の痛みはジンジンし
立ち膝ができない
階段の上がり降りも苦痛

話しは変わるけれど
心の傷も目に見えない

ナイフのような言葉で
相手の心を傷つけた人は
痛みは感じていない


冬 3月まで
インフルエンザ感染対策から
面会ができない
介護施設が多い

入所している110歳の老母の様子を聞こうと
看護師に尋ねたところ
「なにかあったら連絡しますから」、と
戸をピシャリと勢いよく閉めるような音で
家族の気持ちを閉ざした

「なにかあったら連絡します」
そのときは
大概急変や危篤のときかもしれない

自宅で介護できない家族の負い目
その負い目に塩をなすりつけるような言葉
心の傷は
痛みとなり疼く

相手の痛み
自分の痛みとして
感じ取れるか
痛みに不感症になってはいけない、と自戒せねば・・・