常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

お乞食さん

2009年12月15日 | 季節の便り
南天(難転)

師走に入ると、ぼろをまとったお乞食さんが、小さなリンを鳴らして家々の門口に立った。小さな音でありながら、リンの音色は泣きたいほど切なくて、幼子は母親の影に隠れた。
米櫃から小皿に僅かな米をすくって差し出すと、お乞食さんは首にかけたズタ袋の口を開く。
恐る恐る袋に皿の米をこぼして、怖いもの見たさで顔を上げると垢と髭にまみれた顔の奥に子供を震え上がらせる光る眼があった。
今でもお乞食さんに追いかけられる夢を見ることがある。

コメント
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