新雪
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/02/96/0e626d4d440e2e0430af86cdcb85f5a4.jpg)
大黒柱に打ち込んだ釘に渋紙の大きな袋がかけられていて、中には家庭常備薬が詰まっていた。
富山から毎年来る薬屋さんからの預かり物である。
中身は急に応じて自由に使うことができる、例えば夕食に食べた鯖が少し痛んでいたらしく、お腹が痛み出した、そんな時重宝するのが大黒柱の常備薬である。
中でも白い丸薬「毒消し」は万能薬で、大抵の毒を消す医者いらずであった。
欲しいものが、欲しいとき、欲しいだけ使える便利なシステムで「カンバン方式」の源流である。
春になると薬屋さんが、使った薬の代金回収と補充のため家々を回り、土産に四角い紙風船を置いて行った。