兄弟姉妹が同じ屋根の下で暮らした日数は本当にわずかだったことを実感する。
早く嫁に行った長姉と末弟はたった2年である。
物心付いた末弟が何かの折り、断りもなく我が家に上がり兄弟に指図する長姉を見て「あの人はだれ?」と母に問うたという。
いつも集まるところには、親戚がいて、親がいて、連れ合いや子供、孫がいた。
兄弟姉妹だけの集まりは初めての様な気がする。
同居できたのは短い少年期であり、年齢差から同じ立ち位置で話し合うこともなかった。
兄弟たちを近親者と感じたのは血縁故であって、実際は遠い存在だったのかもしれない。
暖かい薪ストーブを囲んで来し方を語った。知っていることもあり、初めて聞く事も多かった。