ポピー大軍
虞美人草
ことしも大軍が押し寄せるように雛芥子が咲いた。
目線を下げると、花は地の果てまで続いているような錯覚を覚える。
これだけの花を咲かせるのは簡単なことではないだろう、寒風の中で世話する園主の姿をよく見かけた。
私がカナダ土産にいただいた「Biue Poppy Meconopsis」の種を、中秋のころ注意深く播種したけれど、一つとして発芽させることはできなかった。
もし この花群のなかに、一つの青い芥子が咲いたら、景色はどう変わるだろう。
昔 むかし 本芥子も大麻も農作物だった。
本芥子の細かな種は家庭で作る焼菓子の上に必ず少量振りかけてあったし、大麻の強靭な外皮は丈夫な麻縄の原料として農作業に欠かせなかった。