常念が見える部屋から

ここから北アルプス常念岳が眺望できます。
季節の移ろいに写真を添えて発信します。

鷺草の植え替

2009年04月20日 | 季節の便り
鷺草モヤシ

ちょっと早いかと思ったけれど、天候に誘われて恒例の鷺草植え付けをはじめた。
古いミズゴケをほぐすと、モヤシのように芽を伸ばした球根が現れた。
ちょっと遅かったようである、柔らかい芽を傷つけないように、老眼鏡を頼りに細心の注意を払って新しいミズゴケに植え付けた。
球根は昨年のほぼ三倍に増えており、急遽古い植木鉢を探し出して、六つの鉢に植え付けを終わった。
私の好きな花の一つである。

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桜草珍種

2009年04月19日 | 季節の便り
玉紅梅

桜草の愛好家は多いらしい。
20種の桜草が次々と開花している中で「玉紅梅」は珍品と言われているという。
幸いなことにここの気候風土が気に入った様子である。
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北原が死んだ

2009年04月18日 | 季節の便り
スノーフレーク


最も逢いたかった同級生の北原は、電話機の向こうの奥様から、昨年9月に死んだと知らされ一瞬絶句した。20数年にわたり人工透析を受けた闘病の末、最愛の妻を一人残して旅立ったという。
「私が言うのもおかしいですが、前向きな立派な人でした」奥様はそういって言葉を詰まらせた。
心許した友北原とは、卒業後の荒波の中でいつか疎遠となり、気が付けば半世紀後の今日に至っている。
卒業後一度だけ東京に訪ねたことがある、細身の体に良く似合う私鉄の制服を着て目の前に颯爽と現れた。彼の後に続くと、私鉄、国鉄を問わず改札はすべてフーリーで通してくれた。
その日何を食べて、何を話したのか覚えていないが、いつか彼とのかっこよい再会が私の中である種の目標のように定着していった。
定時制閉課程記念事業に関わる中で、ようやく探し当てた電話の先は奥様であった。
これが五十年の重さなのだろう。

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記憶の底から

2009年04月17日 | 季節の便り
水仙

70年の歴史を持つ高校の定時制課程が今年で閉じられる事になり、ささやかな記念事業実施に向け準備が進められている。
その一つ記念誌の編纂にあたり、収集した古い校内誌に私の文章が載っていると聞いた。
50年余り昔のことであり、全く記憶にないことである。
 年月の狭間に埋もれ、風化して砕け、時間に圧縮され原形をとどめない様々な出来事を思い返して見た。
 対面が面映ゆい。

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白木蓮

2009年04月16日 | 季節の便り
白木蓮

白木蓮は、ミンクのコートを幾重にも着て厳寒期を耐え忍んだ。
春を迎えてはやる心でコートを脱ぎ捨てる。
しかし 気まぐれな季節のいたずらか、遅霜は薄着の蕾や花を無残に変色さてしまう事は珍しいことではない。
今年はそんなこともなく、たおやかに大輪を咲かせた。
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辛夷の香り

2009年04月15日 | 季節の便り
裏山の辛夷

街路樹の辛夷は既に散って、しなやかに若葉が茂っている。
山の辛夷は今を盛りと咲いている。
遠山に点在する白い群れは辛夷であって、この時期はいつもその数の多さに驚かされる。
裏山の辛夷も白い小鳥の群を見るように一斉に咲いた。
花の発する香りがいい、木下に立って届く香りではない、摘みとって鼻先に近づけて初めて知る香りである。
自分だけに留めおきたい香りである。
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わさび

2009年04月14日 | 季節の便り
山葵

山の沢筋から滲み出した小さな流れは、集落に流れ込んで生活用水として貴重な資源となっていた。
自然石で縁取りされた水路には沢蟹が住みセキショウの青い茂みが続いていた。
上下水道が整備された現在、水路はU字溝に変わり、蓋をされ道路の一部となってしまったけれど夏の間、果樹園や野菜畑の灌漑用水として頼りになる存在である。
10年ほど前 カミサンの発案で庭の隅に水路から分水した小さな流れを復活させた。
セキショウを繁らせ、水芭蕉も咲く小さなせせらぎである。
山葵も植えた。
今年も山葵は花を咲かせて春を告げている。

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神戸へ

2009年04月13日 | 旅先の風景
ともしび

週末 春というより初夏の神戸を訪ねた。
阪神淡路大震災後初めてである、早朝三宮駅近く クスノキの新緑が清々しい公園を神戸港に向かったゆっくり歩いた。
美しく手入れされた花壇と、災害にまつわる様々な出来事が醸成された思われるモニュメントが抜けるような青空のもとにあって、永遠に燃え続けるであろう小さなともしびもそこにあった。

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城址

2009年04月10日 | 季節の便り
レンギョウ

1550年武田晴信に攻められて落城した林城は山城である。
山頂の城址は松林に覆われて、季節には松茸が取れるらしい。
明け方城址に沈む満月を見た。
木々にさえぎられ屈折した月光が、山頂にぼんやりと実在しない城の輪郭を浮かび上がらせ、それはまるで四百数十年の時を経て、山城に花見の雪洞が灯ったようにも見えた。




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エフェメラルな花

2009年04月09日 | 季節の便り
ヤマエンゴサク

美しく咲くのだけれど、ここに住む人たちは素っけなく気にもとめないふりをする。
しかし ほんとは内心この花が怖いのだ。
墓場に咲いて、おどろとした前世を伝える雰囲気をいつも漂わせている。
街角の花屋さんで北欧風な名前をつけ、淡い色彩の鉢に植えて並べたら、人々が群生地に集う今人好みの花かもしれない。



コメント (2)
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