自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ツバメシジミの産卵風景(続)

2018-07-22 | ツバメシジミ

産卵を続けるツバメシジミの後を追いながら,産卵したシロツメクサの花を採取していきました。それを左手に持ちながら,そっと追いかけて行きました。

 

 

そのうちに,とてもふしぎなことが起こりました。手にした花にとまって吸蜜行動を始めたのです。

 

 

さらにふしぎなことに,舞い上がったチョウを追いかけていると,再び手元の花にとまって,今度は産卵行動に移ったのでした。警戒心はまるでないようです。わたしは大慌てで,指を入れて写真を撮りました。指が写っていてこそ,価値ある証拠写真になります。

 

これまでベニシジミがわたしの手にとまって吸水行動をするのを目撃したことがあります。びっくりさせないと,こんなふうにチョウから近寄ってくることを知りました。貴重な体験です。

あとで花を確認すると,卵が二つあるものが!

 

 


地域ミュージアムで考える(83)

2018-07-22 | 随想

地域ミュージアムは,子どもや親子が育つ場でなくてはなりません。それも利活用する立場での育ちでなく,そこで能動的に汗を流すことをとおして知を磨き,社会とつながる価値を肌で感じとる育ちです。これは地域の活動拠点の一つとしてミュージアムが強調できる強みです。こうした方向性は学校では期待できません。

能動的に汗を流すのは,受け身ではないということです。ただたのしさを感受する利活用ではないということです。その要素を活動の柱に置いたものがミュージアムボランティアです。活動をとおして知的好奇心を高め,コミュニケーション力を伸ばすことをねらっています。

先日は,わたしのかかわる土曜ちょこっとサイエンス『発火法あれこれ』で,火打石採取に出かけました。行き先はミュージアム近くの河川敷です。川は県下一の長さを誇るだけに,中流でも河川敷は大きいものです。転がっている石の大きさは概ね片手に載る程度から,両手で抱えるものまで。

 

火打石は火打ち金を打ち付けたときに火花が出る,硬めの石の総称です。火打石というとくべつな岩石があるわけではありません。この河川敷にごろごろ転がっている火打石はチャートという堆積岩。硬ければ中流でも角が尖り気味。探せばどんどん見つかります。

小中学生の姉妹で参加しているきょうだいの,お姉さんがいいました。「中学校で石の勉強をしたとき,標本でチャートを見ました。でも,わたしの家のすぐ近くにこの石があるなんて想像もできませんでした。びっくりです」と。学校の学びが生活とかけ離れていて,ことばが独り歩きになっている様子が窺えます。

 

チャートを採取する,鉱物ハンマーで割る,手作りした火打ち金を打ち付ける,そのような活動をたっぷりしました。この体験がちょこっとサイエンスで生き,人とのコミュニケーション力を促すでしょう。

 

地域ミュージアムの特性と機動性を生かし,地域づくり・人づくりのお役に立ちたいですね。