わたしが住むむらの道端に,今シロバナタンポポがいくつか咲いています。いくつかというのは,種子が飛んで発芽,それが株に育ち,次々に殖えていっているからです。ふつうなら種子が主要道路沿いに伝播して徐々に分布を広げていきます。なのに,突如としてここに現れたというわけです。まさにこの地点に!
これを推測すると,そこには人為的に株が植え付けられた,あるいは種子が蒔かれたと考えるほかはありません。もちろん近くの人によって,でしょう。たぶん,あたっていると思われます。遠くの人がわざわざここに来てそんな行為に及ぶなど考えられませんから。
植物の分布拡大というのは自然任せによるのがいちばん,そう私は思います。したがって,シロバナタンポポがふつうには見られないこの地域では,なんだか風景から浮き上がった感じがします。それも冬なのでよけいに目立つのです。
やがてこの道端一帯で,もうひとつ場違いの外来植物が花をわぁーっと咲かせます。それは特定外来生物に指定されているオオキンケイギクです。たぶん景観をよくしようと近所の人が種子をばら蒔いた結果でしょう。オオキンケイギク撲滅作戦とやらが脳裏に印象づいているせいで,個人趣味でこういうことをするのはいかがなものかなとついつい思ってしまいます。
ついつい,冬の,一つの風景から考えてしまいました。