過日,ドウダンツツジが真っ赤に燃えていた頃の話です。
この葉の赤は華やかに見えますが,葉がチリチリッとしているので,落ち着いた趣きがあります。華美に走りすぎることなく,いくぶん抑え気味に見える風情がいかにも秋にふさわしく思え,好感が持てます。
そんな赤い葉が醸し出す風景を見に,古刹を訪ねました。
この古刹は山間部にあります。報道などでよく知られているので,たくさんの人が訪れていました。
だれが撮っても同じような写真は個性が感じられません。鑑賞者に目を向けることにしました。そうしながら雰囲気だけは残しておきたいと思い,写したのが次の写真です。
まず外から。
畳の上で。
これも畳の上で撮影。
ドウダンツツジでちょっと気になったことがあります。いちばん下には鉢に植わった木が並べられていました。やはり木を地面に直植えにして,自然な効果を醸し出していただきたいところ。贅沢かもしれませんが……。
それともう一つ。こういう風景はじっくりと,こころを落ち着かせて鑑賞したいと思うのですが,その場を整理する人の妙な接遇姿勢が印象に残りました。あれは檀家の方が協力なさっていたのでしょうか。仏間にいながら,鑑賞とはかけ離れた饒舌な無駄話。そこは厳かな空間。ものごとは度を越したらダメですね。おもてなしのこころから見事に外れていました。
注文を書いてゴメンナサイ。