自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

ヒメアカタテハの産卵(3)

2017-11-22 | 昆虫

11月18日(土)。七日目。朝,雨。卵Aを見るとすこし変化あり。上部が白っぽくなりかけています。下側にからだがかたちづくられている証しです。卵表面が乾いてからもう一度撮り直してみます。

 

午後。卵Aは……。上部やや白し,といったところでしょうか。

 

卵Bは……。よく似た様子です。もしかすると,同じ個体があのときに産み付けたのかもしれません。そうだとすれば,その瞬間を見逃していたことになります。

 

卵Cは……。カメラ位置は上からのみ。中の様子はA・Bと似ていると思われます。 

 

 

気温の高い時期の変化と比べると,2倍以上の遅さと思われます。この予想からすれば,あと一週間のうちにはきっと大きく変化するはず。3個が一斉に孵化するとなると,これはたいへん。

11月21日(火)。十日目。快晴。

卵Aを見ると,はっきり影が現れています。からだが形成されつつあるのです。

 

卵Bも同じように変化しています。

 

卵Cは上方向からしか観察できない位置にあるために,よくわかりません。縦隆起条は17本あります。アカタテハよりずっと多い!

 

観察のしやすさを考えて,卵の付いた株を植木鉢に植え替えることにしました。これで天気や時刻に関係なく,経過をしっかり見届けることができます。

 

 


モンキアゲハ,産卵から(7)

2017-11-21 | モンキアゲハ

11月4日(土)。産卵後16日目。午前7時。いつ殻に穴が開き始めてもよさそう。とうとう誕生の瞬間が訪れたのです。 

 

午前11時。産付後15日が経過したことになります。ついに誕生が始まりました。目が離せません。 

 

12時30分撮影。すこしずつ穴が大きくなってきました。しかし時間がかかり過ぎです。 

 

午後6時45分撮影。なんだか困ったことが起こったようです。ふつうなら一気に穴を開けようとするのに,そうはしません。

 

午後11時45分。なんとかここまで来ました。しかし,幼虫に元気がないのです。これで動きが止まってしまいました。時間にして12時間あまり。

 

 

観察を続けるわけにはいかず,就寝。 

 


ツワブキを愛する昆虫たち

2017-11-20 | 昆虫と花

庭のツワブキに花が咲いて,晴れた日には昆虫が訪れます。黄色い花が昆虫たちの目印になるらしく,観察を続けていると,ここを目がけて飛来する様子がよくわかります。

イチモンジセセリはもっともありふれた訪問者です。降り立つと,さっそく長い口吻を緩めかけました。

 

 

そうして,あちこちに吻を伸ばして蜜を得ます。盛んに動く吻を見ていると,忙しい摂食ぶりだと感じてしまいます。

 

キチョウは花にとってお似合いの客です。黄色の衣装が花と相まって,眩いばかり。ぐーんと伸びた吻に,「歩き回らなくても,見事に蜜を集める手だなあ」と感嘆してしまうほど。

 

気づかれないように,そっと前側から写しました。やっぱり,伸びた吻が印象に残ります。 

 

晩秋の一日,生きるエネルギーを補給する虫たちのひたむきさが光ります。 

 


モンキアゲハ,産卵から(6)

2017-11-19 | モンキアゲハ

11月3日(金)。十五日目。下写真は朝撮ったものです。大きな変化が現れました。頭部付近や毛が確認できます。

 

からだを覆う毛がはっきり見えます。今日一日でさらに変化が進むでしょう。

 

昼です。ちょうど14日が経過しました。枝を切り取って,ここからは室内で観察することに。頭部がはっきり現れました。卵の中はまだ液体で満たされいます。右側にすこしだけ気泡が見えています。

 

 

夜です。気泡がずいぶん大きくなりました。

 

 

誕生にはまだ時間がかかります。それで,わたしはいったん就寝。

 


コバネイナゴの体形

2017-11-19 | 昆虫

間もなくイナゴの季節が終わります。 

ウォーキングをしていて,路上にコバネイナゴがいるのを見かけました。イナゴはそそくさと草むらへ。そうして草につかまって静止状態に。わたしの気配を感じて,「これはまずい!」とでも思ったのでしょうか。 

 

「申し訳ないけど……」という気持ちで,もう一度路上に来てもらいました。せっかくなのできちんと撮影させてもらうことに。

 

真正面からも。 

 

頭を見上げるようにして撮りました。トノサマバッタそっくり! むしゃむしゃと草を食べる姿が浮かんできました。 これだけ丈夫な口器を持っているのですから,相当な食べっぷりのはず。

 

真正面からのアップ写真も撮らせてもらいました。やはり口がいのちのような体形です。

 

一つひとつの事象・現象を見逃さずにしっかり見ていくと,まだまだ知らないことが山ほど見つかりそうです。

 


ヒメアカタテハの産卵(2)

2017-11-18 | 昆虫

産卵後,三日目。朝から雨模様。午後雨が上がり,撮影。黒っぽい影のようなものが見えているような,そうでないような。

 

やや上方向からも撮りました。やがて幼虫が出て来る天頂周辺がきれいに見えます。

 

 産卵後,四日目。晴れ。変化は見られません。

 

 産卵後,五日目。晴れ。変化なし。

 

 

一枚の葉の根元付近に産付されています。

 

もっとないかと思い,近くを探すとまた一つ見つかったー! 50cmほど離れた場所です。たぶん同じ個体があのときに産み付けたのでしょう。とすると,ほぼ同時に孵化するはず。以後,先の卵をA,二つ目の卵をBと呼ぶことにします。

 

ところが,ところが。すぐ隣りにもう一つ卵が! びっくり,びっくり。これで合計3個。三つ目の卵を,今後Cと呼びます。孵化はどれかで観察できるでしょう。自然からの思いがけない贈り物にわくわく。

 

 


超接写がたのしい秋(8) ~オオハナアブ②~

2017-11-17 | 昆虫

オオハナアブの頭部を見ていて,「これはいいモデルだ。もう一度」と思い撮ることに。

じっとしている姿。一度見たら忘れられないスタイルです。なんとカッコいい。

 

頭がこんなに(!)ぐるっと回りました。ついでに前脚で支えるようなしぐさを。

 

吻がニョキニョキと伸びてきました。それを脚で掃除をするような格好。 

 

吻がこんなに(!)長くなりました。

 

しばらくすると,腹部と後脚を持ち上げるような姿勢をしました。 

 

あー,超接写を繰り返してよかったー! 

 


超接写がたのしい秋(7) ~オオハナアブ①~

2017-11-16 | 昆虫

どうしたことか,オオハナアブが地面を歩いていました。どうも飛べそうにありません。「よし,これを接写してみよう」と思い,さっそく撮影しました。

こういう場合は複眼がポイントになります。個眼が判別できるようにピントを合わせます。頭部を包み込むようなでっかい眼です。それだけ重要な役割を果たしているのです。

 

 

真正面から写しました。 

 

もっと近寄って撮りました。眼以外には毛が密生していて,表面を守っています。

 

斜め前方から撮りました。立体感が感じられるように注意して。

 

眼だけを写しました。模様がとてもユニークです。

 

うんと近づいて個眼を見ました。整然と並んでいます。 

 

今度はやや下から見上げるかたちで撮りました。胸部に6本の脚が付いています。口も確認できます。

 

丸い口器です。この中には長く伸びる吻が収納されています。 

 

思い切り近づいてみました。口周辺の表情が手に取るようにわかります。

 

超接写の醍醐味は没頭すればするほど見えてきます。じつにおもしろくもあり,愉快でもあります。

 


ラッキョウの花と昆虫たち(続々々)

2017-11-15 | 昆虫と花

北風が吹いた日。畑に行きました。「こんな日は昆虫はいないだろうが,確認だけは」と思い,見ることに。花が風に揺れているので,昆虫など見つかろうはずがありません。ところが,そのうちに風の中を飛来した昆虫がいたのです。

はじめに目に留まったのがホソヒラタアブ。警戒心が強くてなかなか花に降りようとしませんでした。辛抱強く待って,やっと写せました。

 

 

吻が葯を舐めています。

 

複眼にも脚にも毛にも,花粉が付着しています。

 

ホソツヤヒラタアブもやって来ました。花の中を覗き込むようにしてご馳走を舐めています。お気に入りのご馳走なのでしょう。 

 

ハナバエの一種のようです。動きはとてもゆっくりしたもの。

 

冬を間近にして昆虫たちのお蔭でラッキョウの花が受粉に成功。すでに子房が膨らみつつある花がたくさんあります。畑でも花と昆虫との関係はしっかり成り立っています。 

 


クビキリギスの噛む力

2017-11-14 | 昆虫

公園でクビキリギスを見かけました。このまま越冬に入る心づもりだったのでしょう。

 

指でつかんで写真を撮ろうとしたときのこと。指先を噛まれてしまいました。「おー,痛ー!」。思わず声が出そうに。なんとか離しました。血が出て,ひりひりしました。噛む力の大きさを実感。この痛みは数日残っていました。 

 

クビキリギスは漢字で「首螽蟖」「首螽斯」「首蟋蟀」。なんともむずかしいのひと言に尽きます。いずれの漢字にも使われているのが“首”。

いったん噛むと,首がちぎれても離れないという意味から名前に“クビ”が使われているとか。 

 

 

口の辺りの赤いこと! ここから“血吸いバッタ” の異名をもっているらしいです。

 

顎が見えます。濃い赤色部分が顎の先です。わたしはこれで噛まれたのでした。

 

草食性の昆虫ならこんなに丈夫な顎をもたなくてもよさそうなのですが,イネ科植物を食べるわけですからかなりバリバリと噛み砕かなくてはなりません。食草に見合った顎といえそうです。

 

さらにこんなこともわかりました。飼育する場合,鰹節やキンギョの餌,ドッグフードを与えてもよいとか。ということは,草食性に加えてちょっぴり肉食性でもあることになります。雑食的な面があるのです。

クビキリギスの新しい側面にふれることができました。