徒然なる日々からの歳時記

徒然なるままに日々の歳時・興味を綴っております。

千年の時を越えて

2006年07月01日 | ちょっといいとこ,いい景色
一関市本寺地区。岩手県の南西部,奥州藤原氏が栄えた場所として有名な平泉のすぐ南に位置する。写真を見ただけでは何の変哲もない普通の農村のだが(遠くに見えるのは“イグネ”と呼ばれる屋敷林),この地区,2年後,平泉とともに世界遺産登録を目指している。本寺地区が普通の農村ではない理由は「陸奥国骨寺村絵図」という2枚の絵図にある。

→ 本寺地区地域づくり推進協議会

→ 一関市博物館(骨寺村荘園遺跡 紹介ページ)

絵図が書かれた頃の区割や水路網,イグネ,社寺等,中世荘園の構成要素が今も当時の面影を遺しており,歴史的・文化的な面から高くと評価されている。

印象的なのは,約30年前に撮影された空中写真と現在の空中写真を比較しても,ほとんど変化が見られないこと…。私がよく訪ねている新潟の農村であっても,大きくは変化しており,伝統や歴史性は,決して形態的な特徴だけに表れるものではないと感じていたが,本寺地区に来てみて少し分からなくなった。

曲がった水路や農道,非整形な区画…。

高齢化・過疎化が進む地区において農業を続けていくこと,歴史性を有する空間的な特徴を維持していくこと,両立と折り合い,難しい問題が横たわっている。
コメント (2)
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