「毎年同じ競技でつまらないわねぇ~~」 「縦割りクラス対抗の方が盛り上がるのに...(こちらの学校は学年毎のクラス対抗になっています)」 などイロイロご意見もありますが、皆さん、落ち着くところは 「まあ、今どきの中学校の体育祭なんて、どこも似たり寄ったり、こんなものでしょう...」 と、いうところです。
それでも、子供達は、真剣に取り組んでいて、種目毎に勝って全員で大喜びをしたり、負ければ涙をこぼす子供もいて、それなりに"青春"していたようでした。 息子のクラスは、早出練習のおかげか(?)、2つある団体種目を制して、見事に学年優勝を飾りました。
と、そんな中、一般観覧席に、小学校時代からのお友達親子の姿を見つけました。 今年は違うクラスになってしまいましたが、小中で何度か同じクラスになったこともありますし、お母様とは一緒に役員をしていたこともあります。 その彼が、私服で体育祭を観覧していました。 声をかけてみると、お母様が「今、不登校なの」と仰います。 今年(2年の3学期)から、だんだんと学校へ行けなくなり、今は、通院と投薬で様子をみているところだそうです。不登校になったきっかけのようなものから、本人のこと、学校の対応など、いろいろとお話を伺いました。 彼の場合は、決して「本人が学校が嫌い」ということでは無く、安定していれば、今日のように付き添って体育祭の見学に来ることも出来るのだそうです。 そんな彼に対する、学校の対応の話を聞いて、今の公立中学校の(というか、こちらの学校だけなのかもしれのませんが...)子供に対しての「許容範囲の狭さ」のようなものを感じてしまいました。
学校の決めた範囲内に収まる子供達に対してのみ行われる指導・教育。 それを受けることが出来た者だけが得られる達成感や充実感。 今、自分の目の前で繰り広げられている、それらのことを見て、彼はどう思っているのでしょうか...。
枠の外に出てしまった者に対して、教師や生徒は見向きもしないという現実を目の当たりにして、「義務教育最後の体育祭」は、なんだか割り切れないモノが心の中に残ってしまいました。 最近いろんな事件も多いから心配で...」と仰るお母様の言葉が心に刺さりました。 学校やお友達が大好きで、いつもニコニコ笑っていた小学生時代の彼の笑顔は今もすぐに浮かんできます。
「治療が順調に進んで、来春、みんなと一緒に卒業できますように」と、観覧席に座った彼の大きな背中に向かって、心から祈りました。