へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

アメリカザリガニ じけんその1

2006-02-27 18:30:21 | へちま細太郎
こんにちは、へちま細太郎です。。。

ぼくは、しいく係です。仕事は、クラスにある水そうの中にいる魚にえさをあげることです。
魚は、去年3年生になったとき、クラスで学校の近くの田んぼや小川に行ってとってきました。魚の名まえは、先生が教えてくれましたが、ぜんぶわすれてしまいました。ある日、しんいちくんがアメリカザリガニを持ってきて、
「これも入れよう」
といって、水そうに2ひき入れました。とても強そうでした。
次の日、水そうをのぞいたさらだ先生が、
「うわあっ、だれだ、ザリガニなんか入れたのはっ
と、いきなりどなりました。
みんな、さらだ先生のことばにびっくりして水そうをのぞいてみたら、魚が1ぴきもいませんでした。水そうの中には、2ひきのザリガニしかいなかったのです。みんな、いっせいにしんいちくんを見ました。しんいちくんは、今にもなきだしそうな顔をしていました。
ザリガニが、魚をぜんぶ食べちゃった。しんいちくんは、泣くのをがまんして、
「ごめんなさい、ごめんなさい」
と、下をむいてなんどもあやまりました。
先生も、
「いいんだ、気にするな。こういうのは、自然の中では当たり前のことなんだ。ザリガニは魚を食べなきゃ生きていけないんだぞ」
と、しんいちくんをなぐさめてくれました。そして、つぎになんかいおうとしたときに、よしこちゃんが、
「ばっかねえ。こんなでっかいザリガニ入れたら、魚食べちゃうに決まってるでしょ。頭わるいんじゃない?
と、とげみたいにいったのです。しんいちくん、ひっく、ひっくとそれでもなかないようになかないように、いっしょうけんめいにこらえていましたが、
「ほおんと、魚かわいそう。いたかったろうね」
「だから、男の子ってだめなのよ」
「男だけが強いとでも思っているのかな」
と、女の子たちがいっせいにわめきはじまったので、ついにしんいちくんは、
「うわーんうわーん
と、なきはじめてしまいました。
そして、
「しいく係もせきにんじゅう大よね」
と、きょうこちゃんが、こんどはぼくをこうげきしてきました。
ぼくは、女の子たちもザリガニかっこいいね、といっていたのを思いだしていたので、いいかえそうとしましたが、こわいかおのきょうこちゃんやよしこちゃんたちを見たとたん、なにもいえず、しんいちくんにつられてないていましました
「なけば、いいとおもってんの」
「やあね、すぐなく男の子って」
「男じゃないよね」
と、いう声にかこまれて、どうしていいのかわかりませんでした。

さらだせんせい、つったってないで、なんとかいったらどうだ。。。

ぼくは、なきながらそんなことをおもっていました。

このじけんはながいのであしたにつづく。。。
コメント (1)
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