「おっ大量だねえ、けんちゃん」
「バカ殿も負けてないねえ」
「半年はチョコいらねえな」
「生チョコはうめえぞ」
「これはリキュール入り、日本酒や焼酎もある」
「高校生ともなるとセンスいいな」
「中学生はかわいいなあ」
「まあな」
「…で、こ~いっちゃん、あんたは?」
「…(-.-;)」
「あら?ないの?」
「うるせえ」
「そういえば、また食いかけ投げられてたな」
「ふん」
「タコ壷で頑張ってたみけど、匿名希望は忙しくてそれどころじゃなかったみたいだし」
「みんな忘れてただけだろ」
「おまえの存在をか?」
「おとうさん、かわいそうだからチョコあげるよ」
「ほそたろぉ~」
「なんだ?この義理とかかれたチョコは…」
「ぼくの嫌いなはるみちゃんからのチョコだから、いらない」
「そんなチョコいるかっ」
「だったら俺のをやるよ」
「オヤジ~」
「同じ義理でも、まだマシだろ」
「へぇ、県庁のお姉さんたちって、何配るんだろ」
「なに、これをきっかけに合コンしたいってか?懲りないねあんたも」
「フランス革命の精神で生きてるもんで」
「自由、平等、博愛ってか」
「あ~チロルチョコだ」
「バツグンのセンスだな」
「安上がりだねえ」
「お孫さんにどうぞ、と言われたんだが、必要ないみたいだからな」
「今年も6年生からいっぱいもらっちゃった」
「俺も生徒から」
「俺はそれ+彼女から」
「…(-.-;)」
あ~あ、かわいそうだから、私の出番かしらねえ。 おばあちゃんでした。
それにしても…。
こんばんは、へちま細太郎です。
今年のバレンタインデーも、
「学校に余計なものを持ってきてはいけません」
の注意もなんのその。あちこちでチョコが飛び交っていました。
ぼくはまた6年生からチョコを大量にもらい、去年の騒ぎでヤキモチをやいたはるみちゃんから、
「義理」
とかかれたチョコを渡され、
「いらねえ」
と、思わずつぶやいてしまいました。
「何よ、手作りなんだからね」
はるみちゃんがトゲトゲしくいうと、
「だったら、もっと書きようがあるだろう」
と突っぱねてチョコを投げ返しました。
「何すんのよ」
「おまえなんか、嫌いだ」
ぼくは思っていても口にしたことはなかったんだけど、このはるみちゃんだけはいつも許せなかったので、つい出ちゃったんだと思います。
「ひどいよ、細太郎君」
「見損なったよ」
女子に口々にわめかれても、
「どうせ、面白くないからくれた義理チョコだろ、いらねえよ」
と、言い返してやりました。
と、ぼくが女子たちから目をそらすと、りょうこちゃんが静かにぼくを見ていました。 ぼくと目が合うと、黙って席を立って教室を出て行ってしまいました。
何だよ、何だよ。
ぼくはもう何とも思っていないとはいえ、少し胸の奥が痛みました。
また、辛いバレンタインデーになってしまいました。
今年のバレンタインデーも、
「学校に余計なものを持ってきてはいけません」
の注意もなんのその。あちこちでチョコが飛び交っていました。
ぼくはまた6年生からチョコを大量にもらい、去年の騒ぎでヤキモチをやいたはるみちゃんから、
「義理」
とかかれたチョコを渡され、
「いらねえ」
と、思わずつぶやいてしまいました。
「何よ、手作りなんだからね」
はるみちゃんがトゲトゲしくいうと、
「だったら、もっと書きようがあるだろう」
と突っぱねてチョコを投げ返しました。
「何すんのよ」
「おまえなんか、嫌いだ」
ぼくは思っていても口にしたことはなかったんだけど、このはるみちゃんだけはいつも許せなかったので、つい出ちゃったんだと思います。
「ひどいよ、細太郎君」
「見損なったよ」
女子に口々にわめかれても、
「どうせ、面白くないからくれた義理チョコだろ、いらねえよ」
と、言い返してやりました。
と、ぼくが女子たちから目をそらすと、りょうこちゃんが静かにぼくを見ていました。 ぼくと目が合うと、黙って席を立って教室を出て行ってしまいました。
何だよ、何だよ。
ぼくはもう何とも思っていないとはいえ、少し胸の奥が痛みました。
また、辛いバレンタインデーになってしまいました。