はるみでえす。性格悪いでえす。
直す気ありませえん。。。
昨日から須庭寺にきて、細太郎君とけんかした腹いせに副住職のおっさんをいじめようときたんだけど、いない。だから、おっさんのお姉さんの同じくお坊さんの京さんをいびり倒して少しは気が晴れた。
晴れたんだけど、やっぱり副住職のおっさんじゃないと、面白くない。そこで、
「副住職さんは?」
とことみさんにきいてみたら、
「去年の暮れに他人になった。今は通いの僧侶」
とまあにべもない言葉が返ってきた。
「え?マジ?」
「あんなバカ、他人で十分」
なあんだ、籍を抜いていないだけか、つまんないなあ。
「ただの別居じゃん」
なんて話をしていたら、住職さまが顔を出して、
「拙僧に跡継ぎが生まれたのでな、困らんのだよ」
と、笑う笑う。
いや、5人も子供がいるでしょうが。
「いやあ、百合絵の子供だからこそ」
「生臭坊主め。クリスチャンになっちゃうかもよ」
「かまわんぞ、そしたらここは教会にする」
げっ、なんだこのじじい。
「でさあ、その副住職さんなんだけどお」
「このおなご、急に話題を変えたな、なんだ副住職がどうしたって?」
「いじめにきた」
「また、ストレートなものいいを」
ことみさんは、奥で百合絵さんと顔を見合わせて妙な表情をし、住職のじじいはあきれた声を出す。
「あやつは、年末に孝禎(たかよし)に蹴られて怪我したまんまだ」
「孝禎って誰よ」
だれだっけ?と思い出そうとしても出てこない。
「おまえな、恩師の名前くらい覚えておけ」
「ああ、バカ殿」
あいつ、孝禎っていうのか、で、なんだって?蹴飛ばされて怪我した?
「蹴飛ばしたんじゃなくて、ライダーキックだったわよ、あれ」
姉の京さんは、そういって声を立てて笑った。
「全治2か月」
ばかじゃん。