(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー
桑原朱美です。
今日のテーマは
「謝りなさいなんて言わなかったのに、その生徒が謝罪をしたと聞き驚きました!」です。
保健室コーチングベーシックコースの感想をご紹介します。
2020年に開催した 保健室コーチングベーシックコース関西4期の受講生Kさん(養護教諭)の感想です。
<保健室コーチングベーシックスコース関西4期を終えて>
コースが終わって一週間ほど経過しました。今、改めて思い返してみると、
さまざまなワークを通して体験できたことは、財産です。
特に、「宣言する」ことの大切さは大きかった。
職場での自分をひきずったまま帰宅した時、違和感から涙が止まらなかった。
ほっとする場所であるのに、そこに入れない感覚。宣言することで切り替わった途端、すっと入れた。
不思議な感覚。
実践してみて、家庭も職場もどちらの時間も大切にできている気がする。
「今、ここにいる」ことができている感じ。
それ以外のたくさんのワークも、テキストを見るたびその感覚を思い出すことができます。
あの場所で、一緒に学んだ人、サポートしてくださった人、
見えないところで力を貸してくれた人、多くの人の助けがあり、
体験できたことを本当にありがたいと思いました。
理論とワークで得られた学びは、私の心の中にしみこんでいくようで、
講義を聴くだけの学びとは全然違うものでした。
やっとスタートラインに立てた気分です。
これからの実践がさらに自分を形作るのだと感じています。
そして学び続けたいという気持ちでいっぱいです。
先日のできごとを紹介します。
高校1年生のI君。
1年生では保健室利用回数トップです。ゲームが好きで睡眠不足なのか、よく休養しに来ます。
ある朝、イライラした様子で来室しました。
「チャイムが鳴り始めて5秒ほどで教室に入ったが、遅刻と言われた」とのこと。
私はいつにも増して状態管理をしていました。
彼が学校に自転車で(車で登校することが多い)来ただけでもOK、
入室許可証(遅刻すると必要)を職員室でもらってきていること、
遅刻の原因を自分で考えられていること、をそのまま彼に伝えました(承認)。
そして、「連休はどうだった?」と聞きました。
彼は映画を見たこと、感動して泣いたことを話してくれました。
私は彼が教室に戻る前提で「いつ教室に戻る?」と聞きました。
I君「1時間目が始まる前」と答え、もしかしたら1時間目も保健室にいるかもしれないと
少し思った私の考えなど知らぬ様子で教室に戻りました。
それでよかったな、と私の中では終わっていました。
が、続きがあるのです。
2時間目の途中、副担任の先生が来ました。
I君に何か言ってくれたのですか?と聞かれました。
連休中の話をしたぐらいしか思いつかなかったので、私の頭の中は???でした。
実はI君は遅刻して教室を出るとき、担任の先生に舌打ちし、ドアを思い切り蹴ったようなのです。
指導が必要だと思っていたところ、1時間目が終了してから、
彼が職員室の担任の先生のところへ行き、朝のことを謝ったとのことでした。
副担任の先生は、I君が保健室でこのことを話し、養護教諭が謝るように言ったのではないかと考えたようです。
I君が自分から謝ることは今までなかったので驚いていました。
しかし、保健室では朝の出来事を何も話していないこと、
養護教諭ももちろん謝るように言っていないことを知ると、さらにびっくりしていました。
私もこんなことがあるなんてと胸がいっぱいになりました。保健室コーチングすごい!と叫びたいぐらいでした。
後日、何がよかったのか考えてみました。
状態管理ができていたこと、承認できたこと、視点を変える質問ができたこと、かなと思います。
I君の様子を教えてくれた副担任の先生にも本当に感謝しています。
K先生、ありがとうございます。
話を聴きなさい、聴きなさいと言われますが、本当に大切なのは、どんな「状態」で相手とかかわっているかという「聴き方」以前の問題です。
保健室コーチングでは、聴き方スキルより、支援者の内面を整えることの大切さをお伝えしています。
昨今、学校現場での教育相談や保健室での対人支援において、受容と共感ということばかりが強調され、共感のつもりでかかわっているのに、相手の負の感情を増幅してしまうことも起きています。
「共感疲れ」などの言葉も聞かれます。受容と共感の本質を理解し、相手と書かwることができるのであれば、共感疲れは起きることはありません。
知識としてのスキルを学んでも、人間に対する理解が不足していることだったり、「心理」ばかりがもてはやされた結果、本質的なことが置き去りにされているということが、学校現場で起きているように感じています。
養護教諭の先生だけでなく、多くの学校関係者の方に学んでいただきたいと思っています。
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