姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

健康課題を全校の取り組みへ進化させる~周囲の意識を「協力」から「自分事」にする秘訣~

2022年10月12日 | 保健室コーチング

(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。


今日のテーマは
「健康課題を全校の取り組みへ進化させる~周囲の意識を「協力」から「自分事」にする秘訣~」です。

 

「この夏は、教育論文を書くことに、多くの時間を費やしましたが、その経験は、自分の糧になりました」
先日の会員無料コンサルで、そう話してくださったのは、TYさん。保健室コーチング上級コースの修了生です。
お話の内容が、多くの方の参考になると感じましたので、許可を得てTY先生のお話を2回に分けてお伝えします。

 

第1回目の今日の記事では、みなさんが、何かの企画や実践をする際に
「どのように周囲を巻き込み、全校体制で取り組む体制をつくるのか」という課題についてです。

 

養護教諭が、子どもたちの心身の健康課題から、
「●●の取り組みが必要」と思っても、なかなか全校体制でということにはつながりません。

 

協力はえられるものの、担任の先生も忙しさで手一杯。もっと自分事として取り組んでほしいが、」なかなか無理も言えず。
全体で課題を共有し全校体制で取り組むことができたらいいのに・・・

 

そんなことを感じたことはないでしょうか?
TY先生は、まさにその課題をクリアし、養護教諭(保健室)発信の子どもたちの健康課題を全校の取り組みへ進化させました。



■この実践、全校でやると決め徹底的リサーチ

TY先生は、長年、名城大学の曽山和彦先生のもとで『構成的グループエンカウンター』を学ばれ、
これを活かした教育実践(子どもたちの人間関係力の向上)を前任校から全校体制で続けていらっしゃいます。


養護教諭として、子どもたちの現状や課題をを観察し、「これが必要」という教育実践を全校に広げ、
全校で目的や実践法を共有し、子どもたちにプラスの変化を起こす。

文字で書いてしまうと、数行のことですが、これって、ものすごく大変なことですよね。
どんな分野でもそうですが、すぐに全員が快く「やりましょう」と言ってくれるということは、まずありえない。

しかし、TY先生は、この課題を共有すべく、担任の先生に、生徒の現状や先生方の困り感をリサーチし、

 

「この活動を取り入れることで、子どもたちはこう変わります。
そして、それによって、先生が課題に感じているこの点が、
このように解決され、先生の学級経営にもプラスの成果が現れます」


という一人一人の先生へのアプローチを、コツコツを進めてこられました。
そして、興味を持ってくださる先生がいると、実際にモデル授業のために、自ら教室に出向くなど、コツコツと
努力をされ、地道に健康課題の共有をされてきました。



■担任が「自分事」として取り組んだ秘密とは

このコツコツのリサーチと一人一人の担任へのアプローチが
「養護教諭がやりたいことに協力する」という担任のスタンスを
「自分のクラスの子どもたちの成長のため、そして、自分のよりよい学級経営のため」

 

という主体的な取り組みに意識が変えました。

TY先生の担任や職員へのアプローチ成功の秘密は
「ベネフィット」を伝えたこと。

単に、自分が必要だと思うことや構成的グループエンカウンターの「メリット」を
伝えるのではなく


それによっておこる変化が、相手の困り感を解消し、
さらにより良い結果(願う未来)をもたららすという「ベネフィット」を伝えてこられたのです。

私の提案を受け容れて!という発想は、
「受け容れてくれた」「受け容れてくれなかった」という単なる感情の浮き沈みの原因となりますが、

「課題」と「ちょっと先の未来」と「目的」を共有できれば、もっと高い視点から、考えることができます。

TY先生の地道な行動は、ついに管理職の
TY先生の本気度を感じた。僕は全面的に協力する」
という言葉と行動を引き出しました。

転勤から3年。
TY先生の学校では全クラスで、年間を通して、
「HAPPY  TIME」として、帯時間を確保し、継続的に展開されています。


さらには、学区内の小学校への実践拡大も!
この展開には、先ほどの管理職の協力があったようです。

反対や疑問の声も全くなかったわけではありません。
「TY先生の学校は、協力的な先生ばかりでいいなぁ。うちはこうはいかない」

とか、そういうことではありません。

心無い言葉や反対意見、否定的意見もあり、何度か落ち込んだこともあったといいます。

それでも、実現できたのは、TY先生がただひたすら、
この自己質問を自分に投げかけ続けたから

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どうやったら、実現できるかな

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ただ、それだけですね。

反対意見が出たとき、分かってもらえないと感じたとき、
挫折する人、あきらめる人は、「なんでわかってくれないの」という自分に対する<なんでなんで質問>をするのです。

 

自分の提案に賛成しなかったというだけなのに、
自分自身を否定されたように、感じてしまう人は、
この状況に心折れてしまいます。

やり遂げる人とそうでない人のセルフトークって大きく違うのです。



■本日のまとめ

・「メリット」を伝えるのではなく「ベネフィット」を伝える

・「課題」と「目的」「得られる未来」を共有する

・ビジョンをしっかり持ち、どうやったらできるかという自己質問を持つ

・コツコツとやり続ける


第2回目の記事では、教育論文をまとめるために行ったTY先生の行動と
まとめることで得た「すごいこと」をお伝えします。

それでは、今日も素敵な1日を!

 

この記事は、メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
 2022年9月4日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。

 

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