姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

実践事例/「ぼやきすごろく」で進路に悩む生徒の目が輝き始めました

2022年10月11日 | 保健室コーチング

(一社)ハートマッスルトレーニングジム代表
主体的人生を構築する人材育成トレーナー 桑原朱美です。


今日のテーマは
「実践事例/ぼやきすごろくで進路に悩む生徒の目が輝き始めました」です。

 

発売以来、大人気のメタ認知教材「ボードゲームシリーズ」

 

保健室だけでなく、学級でも使えるようにと
公費で何セットも購入してくださる学校様もいらっしゃいます。

高校養護教諭のN先生から、進路で悩む高校生に「ぼやきすごろく」
活用された事例が届きましたので、許可を得て、紹介します。

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「試験の点数が悪くて落ち込んでいるので休ませて欲しい」
と男子生徒が来室しました。

そこで、「ちょっと気分転換に遊ぼうか」と誘い、
届いたばかりのぼやきすごろくを使ってみました。
 

 

シーン1 ぼやきすごろくで遊ぶ

男子生徒は普段はとても元気なのですが、
すごろくの前半は、消えそうな小さな声で
「何をやってもダメ」
「何のために、誰のために勉強しているのかわからない・・・」
「自分が何がしたいのかわからない・・・」

とぼそぼそつぶやいていました。

ところが、すごろくのある部分にとまると
堰を切ったように一気に話し始めました。

・家庭の事情で父親と暮らしていること
・父親の家業を継ぐように言われている
・父親のプレッシャーが強く、「○○大学以下は×」と言われていること

など、いろいろなことを話し始めました。

本人も父親の価値観の押し付けに反発を感じながらも、
その影響をかなり受けていることがわかりました。


そこで、いったんすごろくを中断し、
「ポジションチェンジ」の体感ワークをしました。
 

 

シーン2 ポジションチェンジ

※ポジションチェンジは、保健室コーチングで学ぶNLPの手法の一つです。


自分のポジションでは・・・
父親に対しての不満や要望を話していました。

次に父親のポジションでは・・・・・
勉強に向き合う際の本人の甘さを指摘していました。

第3のポジションで2人を眺めた時は・・・・
「2人はちゃんと話し合った方がいい」と言っていました。
 

 

シーン3 ぼやきすごろくを再開

再びすごろくに戻ると、だんだん声が明るくなり、
「オレ、実は●●がすごく好きで、
 そういったことを自分がやるのもいいし、プロデュースもやりたいんですよね」

と、目を輝かせて言いました。

最初は父の家業がどうのと言っていたはずだったのに、びっくりでした。

そして、すごろくでゴールした時には
「自分がやりたい道に進むために学べる大学をこれから探します。
そして、父親にプレゼンします!」

と力強く話していました。

明後日に控えた三者者面談でも、その時にも自分がやりたいことを話す
と言っていました。

すごろくの後、「ホッとしたら急に眠くなりました」と保健室のベッドで
眠ってしまいました。

最初は「父親の人生を生きているなぁ」と感じた生徒でしたが、
保健室を出るときは、ちょっとたくましく見えました。


すごろくの力に脱帽しました。

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N先生、ありがとうございます。

ぼやきすごろくは、
質問カードよりさらにゲーム性が高く

「質問カードには答えられなかった子が
すごろくではたくさん答えていました!」


「子どもたちの本音や今まで言葉にできなかった想いを
引き出しやすくなりました!」

「すごろくをした後に、質問カードを使うと
なぜか抵抗なく話します」


という感想をいただいています。

弊社のどの教材もそうですが、使い方のコツはたったひとつ。

『楽しく遊ぶ』ということ! それだけです。

そして、問題が起きたときに使うのではなく、

普段のコミュニケーションの道具として、使うことができると

さらに効果的です。


このツールで、気持ちを引き出してやろうという
下心は捨てましょう。

毎回お伝えしていますが、
支援する側の内面の状態は、言葉以上に、アプローチに影響します。
言葉より先に、無意識に思っていることが、先に飛んでいます。
下心(助けたい、なんとかしてあげたい、解決したい)をもってかかわると、

相手(の無意識)は「コントロールされる」と察知します。

意識(言葉やスキル)のコミュニケーションは1
無意識(非言語)のコミュニケーションはその2万倍です。

成果を出さなければ!

早く教室に戻さなければ!

話をさせなければ!

感情を癒してあげなければ!

助けてあげなければ!

・・・・・・・などなど

こうした支援者側の囚われを手放して
ただただ、相手との時間を共有してください。


そのほうが、子どもたちは、リラックスして
自分の内側の想いを言語化しやすくなります。

これは、教材を使う時だけでなく
普段の子どもたちとのかかわりも同じです。

それでは、今日も
素敵な1日を!


p.s.ボードゲームシリーズは、すべての教材に
「実践事例」「遊び方」がついていて、
保健室、学級、フリースクール、学童保育、企業など
様々な場でご活用いただけます。

 

 

p.s.2  企業のメンタルヘルス事業で「ぼやきすごろく」を使った事例はこちら

 

この記事は、メルマガ「可能性をあきらめたくない女性のための時間と思考の使い方」
 2022年9月2日号で紹介した内容に加筆修正した内容です。

 

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講座のご紹介

 

 

先日、関西のとある地区の人権教育研修会で講演しました。

その感想が届きました。人権を意識した傾聴についてお話しました!

 

 

保健室コーチング関係の講座の感想はこちらです。

 



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