本蔵院 律良日記

熊本県にあるお寺“真言宗 本蔵院 律良のブログ”日々感じるままに活動のご報告や独り言などを書いた日記を公開しています。

「和」やわらぐ

2021-12-18 20:20:11 | 漢字

最近気になっている言葉で

十七条の憲法も

「以和貴為」で始まります

また、孫の名前にも

「和」の字が入っていて

見ていると面白いことが

分かってきます。

 

「和」という漢字

禾偏ではなく口の部に属する

言葉で、

人の声に応じて合わせること

を原義としていて、

ひいて、

心を合わせてやわらぐこと

の意味になりました。

 

そういえば、

声を合わせるということの

大事さを感じます

特に、お経を読む時など

色々のお寺さんが集まって

般若心経一つ読むのにも

それぞれの寺での癖というか

独特の節回しのような

この一番簡単なお経でも

合わせて読むということは

大変なことです。

 

しかし、

師匠が同じで共に習った人と

読むと呼吸も合い

気持ちのいいものです。

 

十七条の憲法も

「和ヤワらかなるをもって

 貴しとし、

 忤サカラうこと

 無きを宗とせよ。」

という第一条から始まります

そして、第二条に

「篤く三宝を敬え。

 三宝とは仏法僧なり。」

というように続きます。

 

この中の「僧」という言葉も

サンガの音写で僧伽ソウギャと

漢字に当て、それが略されて

「僧」という一字になり、

訳すと、和とか衆となります

それで、和合というようにも

言われるのです

そこからお坊さんのことを

和合衆、和合僧、海衆とも

いわれます。

 

海衆というのは

衆僧が和合することを

海水が一味であることに喩え

海といったのです。

 

よくお坊さんのことを

「僧侶」というのは

梵語と漢語を合わせて言う

言葉です。

僧はサンガからで

侶は伴侶という言葉もあり

なかま、つれ、とも

という意味です。

 

「和光同塵」

という言葉もあります

光を和らげて塵に同ずる

という、老子の言葉ですが、

仏教では、

仏さまが智慧の光をかくし

衆生を救うために

仮に煩悩の塵に同じて

世俗の間に生まれ、

衆生と縁を結び

次第に仏法へ引き入れる

ことをいいます。

 

なかなか難しいことで

塵に同じて、次第に塵の方が

よくなってきて

光を失くしてまうことの方が

多いようです。

 

また、こういうことから

本地垂迹説と結びついて

仏が人を救うために

神や権現様として

現れることを

和光同塵ともいうようです。

 

また、

大神神社に行った時

「やまと」という言葉が

目に入ってきました

「和」を大和ともいい

日本のことをも指します

漢和辞典とか英和辞典と

いうことも

そういうことです。

 

「和」ということも

わ、という一字で

また、最後に出てくる言葉

お坊さんの名前にも

よく使われます

その時は多くは

「な」というように

発音することが多いようです

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大神神社(おおみわじんじゃ) | トップ | 捨(しゃ):惛沈・掉挙 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

漢字」カテゴリの最新記事