かみつけ岩坊の数寄、隙き、大好き

働き方が変わる、学び方が変わる、暮らしが変わる。
 「Hoshino Parsons Project」のブログ

ほんとの話

2008年04月24日 | web PC関連

すみません、ほんとの話ではありません。
フォントの話しからはじめます。

今日、万葉東歌のしおりを増刷した際に、書体を変えてみました。
これまで行書体で印刷していたものを、
青柳衡山という草書風のフリーフォントに変えました。
そしたら、これまでの行書のしおりが、あまりにも安っぽいものに見えてしまった。
書体を変えただけで、これほどまでに印象が変わるのかと驚いてしまいました。
昔からプロが使っている小町字や良寛字といったフォントが欲しいと思ってましたが、
最近では年賀状印刷で筆文字が一般化しているように、草書体に限らず、
かなりの書体が自由に手に入るようになった。
よその本屋の店頭でフリーフォント集のいいものを見つけて買ってきたので、
早速、いろいろ試してみた結果です。

最近のフォントといえば、自分の手書き文字をスキャニングして、完全オリジナル自筆フォントもつくれるようになっている。
ソースネクストの安いソフトも出ている。
私は、ちょっと前の高いこの自筆フォントソフトを買ったのですが、元になる文字を指定のシートに書き込むとき、どうしても、マスの中に書こうとする時、清書する気になってしまい、つい日常の自分の字よりもかっこつけた清書で書いてしまって、それではせっかくのオリジナルの味が無くなってしまう失敗をしてしまう。
自分の下手な字で、他人に見せられる字体ってどう書いたらいいんだ、と
これは結局そのまま行き詰ってしまいました。

でもこの自分のオリジナル書体のことを考えていたら、
もうひとつ大事なことに気付いた。

以前、うちのお客さんの障害者施設に入っている方で、とても良い文芸書をよく注文してくれるお客さんがいたのですが、この注文電話の声がどうしても従業員が聞き取れない。それらしい単語を聞き分けては検索してこの本のことではないかと、言い返すのですが、
このやり取りをする従業員が耐えきれず、もうこのお客さんの対応は無理だと、断ってくれないかと言い出したことがありました。

私も窮して施設の方に代理で電話してもらうことが出来ないかなどと相談したが、自立を促すためにそれは出来ないという。
ある程度繰り返していると結構それなりになんとなく聞き取れるようにはなるのだけど、どうしても出来ないといっている従業員の問題を能力・努力の問題としてだけでは片付けられない。
そんなことで困っていたら、ある日、
そのお客さんからメールが入った。


○○ホームの○○です。
いつもありがとうございます。
本の注文お願いします。
「○○○○」新○社


あっ、そうか。
メールなら、お互い何の苦労もなくやり取りが出来るのか。
その人からしたら、たとえ指一本の作業でも、
自分の意思を伝える方法としたら、これまでの会話にくらべたら遥かに
スムーズに伝えることができる。
なるほど、と思いました。

この話の延長で、今のネット技術というものの技術革新・普及で
障害者やお年寄りにやさしい環境がどれだけ開けるだろうか、と思った。

今のキーボードを中心とした入力では、ハードルの高い人も多いのも無理はないけど、
ネット技術、デジタル技術が個人の自由の拡大に貢献する要素として、
音声認識技術への期待は大きい。

現在、その技術開発の中心が、公共の場などで利用できる音声認識技術になっていいるが、先の自筆手書きフォントのように音声認識を、特定の個人に限定して
自分の声だけのデジタル変換ということであれば、
その精度ははるかに高めることができ、実用化もしやすい。

この技術の実現が目前にきているのだろう。

ものぐさ太郎のためではなく、手足や言葉の不自由な人たちにとって
こうした新しい技術が
とても明るい未来を開けてくれるるのを感じる。




     正林堂店長の雑記帖 2007/12/23(日)より転載

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みやま文庫フェア

2008年04月24日 | 渋川の本屋「正林堂」
会員制を原則としている「みやま文庫」のアンテナ・ショップになったことは、
以前に書きましたが、
先週より、「他店では手に入らない群馬の本」フェアとして店内にコーナーをつくりました。

既に在庫が少なかったものは、売り切ってしまい
みやま文庫事務局在庫を売りつくしてしまったものもあります。

当店ですでに売り切ってしまったものは、以下の2点です。

・152 吾妻史帖
・127 群馬の郷土芸能(上)

特におすすめの主要リストを掲載いたします。

188 高山彦九郎
189 中島知久平と国政研究会(下)
182 富岡製糸場の歴史と文化
181 ぐんまの新聞
180 中島知久平と国政研究会(上)
179 群馬の峠
178 ぐんまの昭和史 (下)
177 八州廻りと上州の無宿・博徒
174 小栗上野介
170 ぐんまの昭和史 (上)
169 高崎史帖
167 群馬の古建築
163 上州と良寛
157 上州路語録
156 群馬の自然災害
154 北群馬渋川史帖
153 群馬の小正月ツクリモノ(下)
150 群馬のことば
148 上州人物異聞
146 群馬の小正月ツクリモノ(上)
141 群馬郡史帖
139 絵で見る近世の上州 (下)
137 絵で見る近世の上州 (上)
134 近世芝居小屋考・群馬県
133 群馬の郷土芸能(下)
130 群馬の古代史
120 群馬のなぞ
115 群馬の寺子屋

*4冊以上まとめてお買い上げのお客さまには、
十返舎一九『諸国道中金の草鞋 十三』をプレゼント!

この本は、十返舎一九の旅で伊香保、草津、中之条などに立ち寄った絵図が載ってます。

2月末頃まで実施してますので、
是非、ご来店下さい。



正林堂店長の雑記帖 2008/1/25(金) より転載
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする