極端に「賃労働」か「ボランティア」に二分される現代の労働。
行政と話しをしていると、それは民間の営利企業だからダメ、非営利ならOKという話しによくぶつかります。
公的労働も、「公務員」の労働か「ボランティア」に二分されてしまう傾向がとても強いものです。
その思考パターンがNPOに対する考えにもうつり、お金を動かしてこそ事業という活動範囲をとても狭めてしまっています。
この思考の枠組みをなんとか取り外せないと、補助金頼みの地域活性化から抜け出すことはとても難しいのではないかと思います。
「昔の人は、なぜ不便な山村に暮らしていたのか?」
http://www.nhk.or.jp/ecochan-blog/400/215852.html
ちょうどこんな記事があったので、昔の働き方いろいろの抜き書きメモ(何かの民俗学の本だと思いますが出典わかりません)から以下に転記します。
1、個人では対応できない大規模労働 =「結い(エー)」
労働力不足を補う賃金の介在しない労働の交換=貸し借り 田植え、稲刈り、屋根ふき替え、
脱穀、除草、桑摘みなど借りただけの仕事は返さなければならない
「エーゲーシ」「エーガワリ」「結い(エー)」の関係を結ぶのは、実利ばかりではなく
「ハリエー(張り合い)が悪いから」といった、一人で作業するのは寂しく、
猛獣や毒蛇に会う危険を避ける 性格もあった。
2、共同作業 =「モヤイ」
数軒の家が共同で出資して、山持ちから薪炭材を立木のまま購入して、共同作業によって
伐採し、マキとボヤに束ねて、それを自家用にし、また売却するような作業。
総じて、利益は各人に帰ってくる。
3、金を払うべきものを手間で返す =「テマガエ」
4、援助労働 =「スケゴー」
労働に対する手当は出る 恒常的な雇用関係はない
5、半強制的な労働 = 「テンマ、オテンマサマ」
江戸時代の無料人足のお伝馬からきている。
上からの強制である場合が追い 多くは無償労働、義務人足 神仏祠堂の修理や屋根替え、
道普譜、堰普請など公共の作業にあてられる傾向がある
6、自主的な「出稼ぎ」労働
現金収入を目的に他所へ出る
7、頼まれていない勝手な労働「オッカケ」
8、義務や責任観念の伴わないもの=「手伝い」「助けっこ」
9、家事・育児などの生活していくために欠かせない日常労働
多様な働き方=派遣労働が増える実態を支持するものではありません。
ここで求められているのは、必ずしも「雇用形態」の多様化ではありません。
会社も、ふたつの方向で進化、脱皮していく。
(1)、利益や市場をささえている幅広い環境にさらに積極的にアクセスしていく
(2)、個別労働の対価としての「賃金」ではなく、(右肩上がり時代の思考)
一元的な会社や特定の組織とだけの「雇用」支配・従属の関係でもなく、
また、「仕事」で稼いだお金のみで成り立つ、「買う」ことで成り立つ「くらし」ではなく、
地域の柔軟なつながりを軸にした多元的な関係=「くらし」の体系のなかに「労働」や
「仕事」が包まれていく時代へ、再び組み直す。
先の9項目の働き方を、
営利⇆非営利、
公的労働⇆私的労働、
強制的⇆自主的
などの対比で図式化してみました。
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