毎度おぼろな記憶で情けない。
棟方志功が、
五本の指でするような作業ではなく、三本の鬼の爪でつかむような仕事がしたい、
といったようなことを言っていました。
確かにすべての指で包みこむような「安全」、「安心」は、なにものにも替えがたい価値があります。
でも、現代人はあまりにも、そちらの方向一辺倒になりすぎています。
チームプレイが大事であることに異論はありませんが、現代ではあまりにも協調性ばかりが強調されすぎて、一人でも突き進む勇気や覚悟が忘れ去られてしまっています。
完成度を追求することや包括的であることよりも、もっと自分の視点でものごとを鷲掴みにするような強い意志が必要だ。
いつのまにか、仕事が進むにつれてどうしても、もともと自分に欠けている丁寧さや気くばりを意識しすぎて、本来の目標への強い意志が弱くなっていってしまう。
意思とは握力の強さに等しい。
読書も、正しい解釈よりも、たとえ間違ってでも、自分の視点でより深くつかむような読み方がいい。
現代では、かなりこれを強く意識をしていないと、丁寧さや包括性に流されて、この意志が忘れ去られてしまう。
もう一度、おぼろな記憶の表現を改めて書く。
五本の指でやさしく包み込むような作業ではなく、
三本の鬼の爪でつかむような仕事をしよう。
「構え、狙え、撃て!」ではなく
「構え、撃て、狙え!」です。
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