糖分、脂肪分、塩分、この三つが食品市場を拡大するオールマイティカード。
「人々は品物を見て、『糖分が多すぎる』とか『塩分が多すぎる』とか言うだろう。だが、それが消費者の求めるものなのだ。われわれが彼らの頭に銃を突きつけて食べさせているわけではない。糖分や塩分を減らせば、売行きが落ちる。そして競合企業がわれわれの市場を奪う。罠にはまったような状態なんだ。」
これは、コンビニエンスな食品業界だけの話ではなくて、すべてのビジネスに言える。
決してメーカーが銃を突きつけて「これを買え」と言ってるわけではない。
その銃は今や消費者自身が自ら持って、自分の頭に突きつけているようなものだ。
ほとんどの企業は、それを悪意を持ってやっているわけではない。
これを買うかどうか、使うかどうかはすべて自分の意思だ。でもそれを買う、使うということは、確実に自分の命を縮め、暮らしを破壊し、地域を崩壊させる。
文化の砦を称する出版業界ですら、これは例外ではないと思います。
「欲しがれ!」という経営者の叫び。
それが、雇用をうみ、生活を守っている。
それが間違いだとは簡単には言えない。
でも生き延びるためには必要なこと、避けられないことと言っている「仕事」の論理の多くが確実に「生命」を破壊している。
これは容易な闘いではないので、誰もがこの道へ踏み込むことを薦めることは出来ませんが、それは自分で自分自身の頭に銃を突きつけているのだということは、どうか知っておいて欲しい。気づいて欲しい。
まだ読み終えていませんが、そんなことを考えさせてくれる本です。
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マイケル モス | |
日経BP社 |
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