花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

映画「張り込み」前編

2006年08月09日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
昭和32年、野村芳太郎監督が松本清張原作の「張込み」を映画化した。現在DVDになっている。オイラがご幼少の折見た記憶があったので借りてきた。
りの日に、このことをマッちゃんに話したらとたんに話が盛り上がってしまった。原作の季節は秋だが、映画では真夏の暑い盛りだ。東京の質屋に押し入った強盗が昔の女に会いに来るという情報を得た刑事二人が、九州佐賀市に赴き、女の家の向かいにある旅館の二階から張り込むという話だ。


竹の映画だった。モノクロでワイド。何よりすごいのは当時の風俗がたっぷり盛り込まれているからだ。冒頭刑事二人は23時6分品川駅から鹿児島行き「薩摩」に乗る。走り出している列車に飛び乗るのだ。今では考えられない。三等車は溢れんばかりの客で、二人は通路に座り込みうたた寝をする。
阜あたりで朝を向かえ、若い刑事大木實は宮口精二をかばってようやく空いた席に座らせる。大坂からはSLが牽引して九州へと向かう。蒸気機関車は必死で走る。停車中の広島駅で駅弁と酒を買い込む。懐かしい風景だ。博多から佐賀へ。東京から九州への移動は大変だった。夜遅く佐賀へついた二人は翌朝佐賀署へ挨拶に行く。
賀署を出た二人は車の合間を縫って横断し、松原神社の掘割を通って女の家に向かう。掘割では子供たちが水遊びをしている。天秤棒で担いだ物売りが通る。女(高峰秀子)の家の前に小さな旅館備前屋があったのでここの二階に泊り込み張り込みを始める。


る日、高峰秀子は旦那の親戚の葬儀に出かける。佐賀劇場近くの材木町からバスに乗り込む。二人はその後を尾行する。


は大町橋バス停で降りる。東京紅團さんのホームページによるとここで大木實がタバコを買った大町食堂は、現在、仏壇屋になっているということだ。川沿いの田んぼ道を、日傘をさした高峰秀子は歩く。この日傘が印象的で、オイラは映画の記憶がほとんどないが、なぜかこの日傘だけは覚えている。