
衣紋坂を下ると大門があります。
新吉原は大変な賑わいです。この門は午後10時には閉ざされました。吉原は通称「おはぐろどぶ」という川に囲まれ、出入りはこの門しかありませんでした。
逃亡や犯罪から守るためです。大火の際には、逃げることのできなかった娼婦の死骸で悲惨な光景だったそうです。
大門の左側には奉行所の出張所である面番所、交番が建っていて、右には吉原の総名主が詰める四郎兵衛会所があり、それぞれで挙動不振の者を見張っていました。
大門をくぐると両側に茶屋が並ぶ仲の町のとおりです。いわばメインストリート。この通りには季節に応じた装飾やイベントがあり、華やいだ風情をかもし出していました。
お正月は、二階まで届くような松と笹がずらりと並んだ松飾り。
二月初午には大神楽が通りを行きかい。
春は、本物の桜の木が立ち並び。
五月には、溝を掘って花菖蒲がずらりと植えられ。
七夕は笹飾りが飾られました。
7月1日には、仲の町とおりには玉菊灯篭が軒に飾られ。
7月12日は、盂蘭盆飾りのほおずきなどが売られた草市が出ました。
8月15日は中秋の名月で、月見会が開かれて、四季の移ろいにふさわしい催しものが企画されたのです。
