まぼろし探偵の主題歌デス
赤い帽子に黒マスク 黄色いマフラーなびかせて オートバイが空飛べば 事件の起きた時なのさ 行くぞ それ! 元気な少年 まぼろし探偵
親に心配かけまいと あっという間の早がわり 二丁拳銃火をはけば 悪者最後の時なのさ 行くぞ それ! 正義の少年 まぼろし探偵
にっこり笑ったその顔に かがやく希望がわいてくる ちえと勇気の進くん 平和な世界をつくるのさ 行くぞ それ! 明るい少年 まぼろし探偵
つかの間の穏やかな年、村山清八市議会議員が諏訪公園に誓の御柱と市民壇を建てた年、昭和9年。第1次大戦の軍需景気と満州への進出で、一時の豊かさを享受できた時代だった。その後二・二・六事件と盧溝橋事件をきっかけに起きた日中戦争、対ソ連とのノモンハン事件と日本は太平洋戦争へとひた走る。「ぜいたくは敵だ」。乏しい物資の日本は、国民生活のあらゆる部分に統制をかけ軍事費に回した。
さて、昭和16年10月30日、浅草寿町の本法寺境内に「はなし塚」が建立される。落語のネタまでが公演禁止となったのだ。山ほどもある演目の中から花柳ダネ:明烏(あけがらす)・居残り佐平次・廓大学・子別れ・品川心中・付き馬・つるつる・六尺棒など35種。妾ダネ:権助提灯・星野屋など7種。間男ダネ:紙入れ・包丁など6種。艶笑ダネ:疝気の虫・不動坊・宮古川など7種。残酷ダネ:後生鰻。以上53種の古典落語をはなし塚へと葬り去られた。ごくごく一部に反対の意見を持った人々もいたが、「勝った!勝った!」の大合唱で破滅へとひた走る日本でした。
写真は、満州事変から帰国した兵隊さんを迎える歓迎式典の図。そこへ墜落寸前のまぼろし号 デゴザイマス。