富田浜から北西方向に垂坂山がある。(訂正:富田浜海水浴場の観光マップに描かれているように、霞ケ浦から見て垂坂山はほぼ真西に位置しています)“雀頭垂坂山春景”水谷百碩画 四日市市立博物館刊「知られざる四日市の面影」より
人々が春の陽気に誘われて野遊山をしている風景です。はるか先には伊勢湾や知多半島が見え、簾掛けの茶店に集まる人や、手持ち弁当を広げている人、楽しそうに踊っている人等がいます。垂坂山が四日市の人々の憩いの場となっているのが、よくわかります。
幼少の頃、遠足で垂坂山へ行った。弁当と、そしておやつはいくらまでと決められていて、前の日の買いものが楽しかった。当日、阿倉川駅で降りて、連なって西へ向かう。途中、山手中学校横を通る。なぜかお互いで罵り合いが交わされる。挨拶である(以上、この辺り記憶があいまいです)。突き当りがバスの回遊場になっていて、そこから坂道となる。
数年前、近くへ配達に出かけたことがあり、暗い上り坂があって、昔の道であることを聞いた。今は山向こうの大谷台団地へ抜ける広い新道ができて人通りはなくなり、痴漢が出ると聞いた。
出かけてみると、坂道の風景はそのままだった。日傘を差した夫人が登っていくのをみたが、駐車場所を探す間にその姿はなくなっていた。ミステリーである。
暗い坂道を急ぎ足でのぼる。昨日の雨が木漏れ日の間から風に乗って降り注ぐ。坂道は500メートル程あるか。途中で息を切らして立ち止まる。山頂?に着いたが当時を思い出すと意外に狭い。以前は見晴らしがよく、坂道の両側で遊べた。防空壕があって崩れるから危険だと先生に注意された。防空壕を探検したわんぱく坊主は、中で血の塊を見つけたと鼻息を荒くしていた。
木々の間から御在所岳が見える つづく