ファッションの話し。今年の冬はベージュコートが目立ちます。可愛い型が多いですね。その中でカーキグリーンが目立ちます。なぜでしょうね。ちょっとミリタリーぽい奴です。
実は仕事柄、こういった事に気をつけてみています。割とこれで年が解る所もあります。
さて今流行はビビットカラーと言われています。本当でしょうか。実は本当です。ただこれには前哨戦が長くありました。基本はエスニック・重ね着・古着ファッションです。この中で一つの方向と言うのは無く、着こなしのスタイルが森ガールだったり、山ガールだったりする訳で、男もまあ本当にムチャクチャな訳ですよ。ショールをマフラーにするとか、ポンチョを着るとかエスニックを解体しているようなファッションが見られました。
ただその中で、原色を使う傾向がはっきりして来たと思います。エスニックも現地的なエスニックは原色ですから。インドにしろメキシコにせよ、直輸入のものは原色が多かったと言うのがあります。そういった蓄積の中でのビビットカラーかなと思います。
ただ盛岡では震災以降目立っているのです。まず震災で服の蓄積を失った被災者がいると思います。とりあえず自分を励ます意味でビビットカラーを選んでいる節はあります。また組み合わせを考える必要が無くなったと言うのもあると思います。今までの服と、あわせる必要が無いからです。
次に大きいと思うのですが、規範の崩壊です。もちろんビビットカラーの後には、グレーと黒が来る法則は通用します。経済ではなく服の組み合わせでそうなります。
ただ現在のビビットカラーの流行は、カラーコーディネートが流行っているという延長線でもありそうです。例えばですね、上全部がグレーから黒の服に赤のスニーカーは無いですよね。だからワンポイントで上体に赤を入れるべきです。これは旧来の考え方になります。赤のスニーカーだったらシャツを赤にしたらいいだろう。これが今です。派手ですが、今では割といい感じになっています。もちろん旧来のワンポイントタイプもいますが、ワンポイントが分散してあると言う状況です。例えば全面黒なのだが、バックから靴からどこかに赤があるとかそういった具合です。
さてビビットカラーの流行の最大の眼目は、ボトムズがビビットカラーになった事です。これはかなり変わった事です。下半身をビビットカラーにするのはかなり難しい事だからです。まず見た目が落ち着かない。そして上半身もビビットカラーでないと、下半身ばっかり目立ってしまうからです。
歴史的に見れば、ここ数年のサイケデリックフォントなど、文字やデザインでもあのド派手なものが目立っています。これが影響しているのでしょうか。たぶんそうでしょう。
ただファッションと全く違う所からファッションもあるのかなと思います。10年前から孫の着古したジャージを着る老人が増えています。楽なのと高機能性というのがフィットしたのです。スポーツファッションと言うのはどこか派手な所があります。それを老人が着ている日常もある訳です。それが目につくようになってから、老人ファッションもかなり変わったものになって来ています。
気がついたのですよ。派手って楽しい。
たぶん孫のジャージに触発されたんだろうか。
その流れの中でのビビットカラーです。
景気とビビットカラーは一致すると言う事ですが、今回の場合はユニクロ・シマムラ等の廉価ファッションがあってのビビットカラーです。彼らは一定の数のビビットカラーの服は出していたはずです。すべてのニーズに対応しなければいけない宿命だからです。特にシマムラは。供給量が一定にあったからこその、ビビットカラーと思います。
様々な条件が重なり合ってのビビットカラーの流行ですが、確実に経済が上向きになる兆候ではない、と思います。
更に今の所、ビビットカラーのボトムズで成功している例がないのです。やってる奴はもう形にしていますし、ずっと前からある訳で。
たぶん景気が良くなると、ビビットカラーは鳴りを潜める。ただ今後も絶対残る。なぜって?これが普通だからだ。昔のように流行に乗って動く時代ではない。むしろタンスの資本蓄積が過大になっていると言う事だ。その蓄積が古着屋ルートの確立で流動化し、またタンスに戻ってゆく。その流れの中での、流行だと思う。
PS
横縞の服を着ると太って見える、というのはどうか。ただこれを真面目に調べたら、というか単純なのだが、横縞の上着は丈を短く見せる効果があるという当たり前の結果になった。
同じ身長・体型の人間がいて、縦縞の服と横縞の服を着たのを見比べると、横縞の方が足が長く感じられる、らしい。
横縞は太って見えると言うのはラグビーのジャージの印象とかあるのかもしれない。ただこの場合、巨漢が着ているのであって、服はそれを強調する以前の話しだと思う。
ボーダーシャツがかっこいいと言われる流行の時には、実は足が長く見える効果を狙っていたのだろう。石原裕次郎なんかそうかもしれない。
ただ日本人の場合、座る習慣がある。座っていると下半身が長く見える効果は消えてしまう。テーブルなんかあって下半身が隠れる場合もそうだ。これが太って見える原因なのではないのだろうか。