桜の撮影も今日で終わりにする。まだ残ってはいるのだが綺麗とは言い難い。花吹雪を入れ込んでの撮影も、木に残る花柄が目立つようになってきた。遅咲きのはずのしだれ桜も色が褪せてきて、もうそろそろ散りどきになってきている。
今年も大学の新入生を撮影しているのだが、昨年から彼らの行動パターンに変化があるように感じる。クラスの知り合いでまとまって行動するパターンが長続きするのだ。今までは大体新入生同士で連むのはよくある光景だが、サークルに入ったりバイトしたりで、その初期の人間関係はあっという間に変化して、常に一定以上のグループとして続くことは少なかった。せいぜい昼を一緒にする程度で人数も少ない。
だが15人以上のグループがまとまって1年続いているのは不思議に見える。今年はさすがにそこまで大きくまとまっているのは珍しいが、8人程度のグループならいくらでもできている。
ただそれだけなら変ではない。変なのはサークルに入る時期がどんどん遅くなっているのだ。体育会系のサークルなら早めの決断が必要だ。理由は上下関係があるからだ。スポーツは少しでも早く始めた方が体力も技術も人間関係も有利になる。だが時代だ。モラトリアム期間をゴールデンウイークまで用意するサークルがほとんどだ。お試し期間でゆるく体験してもらって何度か参加してもらって決めてもらうサークルが多い。まあ体育会系でもまともなところはそんなことはしないが。
ただそれでも決めるのが遅くなっているのだ。ゴールデンウイーク明けが増えつつある。親と相談というのはある。だが大学に入ってまで親と相談というのは、どうなのかと思う。だがこれも時代なのだろう。
この二つは関係があるのではないのかと、少し考えている。長続きする集団は、それぞれが別なサークルに入っていても存在している。これは以前はなかったことだ。人間関係の何かの比重が変わったから起きたことなのではないのかと考えている。
何が一番の違いか。LINEの普及だろう。そして今の大学2年生あたりから高校生でLINEが一般化した時代になる。
LINEで初めて交換してグループが行動を規制している可能性がある。
大学では初めて会った同級生はほとんど全く同じ学部の同じ学科の人間だ。LINEの交換はそこから始まる。もちろんサークル勧誘で求められて交換することはあるかもしれないが、無視できることだ。メールもそうだ。
だが一番最初にLINEを交換した相手が同じ学科で毎日顔をあわせるとすればどうなるのだろうか。
私の世代では、それだったらLINEっていらないだろ?となるのだが、SNSが当たり前の時代になるとそうはいかない。緊密な状況が生まれてしまうわけだ。大学入学初期にそういった関係性が生まれるのは決して悪いことではないが、結果としてサークルなどの新しいグループへの参加を抑制しているのではないのかと考えている。
以前、mixiのグループ形成があった。ただLINEよりはゆるかったせいかグループもゆるく存続していた。LINEの場合はやはりあの「既読」という義務の問題があるのだろう。ただLINEの使い方もかなり変わってきているようだ。この辺は全くわからないが、結局人間関係でしかなく中心になる人物がいるかどうかどうかということになりそうだ。この辺りは私の世代と変わらないことになるかもしれない。
だが濃密なコミニケーションを要求するLINEでは、噂とかそういったものが大きく響くのだろう。それがサークル加入のズレに繋がると考えている。
SNSの世界が常にリアルで見えるというのは、なかなかに面白い。ただこの中からチャレンジングな人間が出てくるかといえば、それはないと思う。