今日は泳ぎに行こうと思ったのだが、止める。明日無料開放日だから、そこは遊びで今日は少し真面目にと予定をしていたのだが、買い物に行って帰ってくると、プランターが気になる。雑草とか生え放題だった。整理して一昨日買ったチューリップの球根を植えつけて、庭の惨憺たる有様を見ながらもうそろそろ庭師がくるから放置とか適当なことをしているうちに、時間になった。
まあその前にモヤモヤしていたことがあった。自分がしばらくオーディオから遠ざかっていたら、オーディオの世界がおかしくなっていた。えらい高級品ばかりになっていてエントリーモデルとかそこそこのものが全くなくなったのだ。これはおかしい。まあ自転車は身近だったのであそこのおかしさは前から知っていたが、オーディオよりはかなりマシだ。どんな高いものに乗っても、弱い奴は弱いだけだからだ。
で、コーヒーの世界がおかしくなっていた。自家焙煎コーヒ屋がやたら増えた。そこは玉石混合どころではなかった。コーヒー飲んだことがないんじゃないのかというコーヒー屋が実際に存在する。そこがしたり顔でコーヒーの説明をするのだが、説明と味が大幅に食い違っている。
まともだったのは、タブレットを使った店舗用のレジシステムを実際に運用してみるという、実験店舗兼オフィスという変な店だった。社長がコーヒーが趣味で自家焙煎をしていて、「味は僕の好みです」と潔いい店だった。説明もしっかりしているし、サービスも悪くない。
そこには流通上の、変な問題があった。スペシャリティコーヒーだ。ただこのスペシャリティ認証を受けたコーヒーは手選別など厳しい検査を受けて流通しているはずなのに味が何かおかしいものがある。
コモディティの歴史を踏まえて、どうなのかというのを熱田氏に聞きたくなった。
世界史的にゆけば、最初ヨーロッパに入ってきたコーヒーは、エチオピア産だった。薬として扱われていたのが、飲料となるのは17世紀の話だ。ただ今でもイエメンとかでレッドチェリーを乾燥させただけのものを煮出して飲むコーヒーがあり、またその乾燥させただけのを食べるというのも残っているわけで、イエメン・エチオピアはコーヒー発祥の地のコーヒーとしての地位がある。なので果肉臭や発酵集、そしてカビ臭まで含めてモカとして珍重されている。
非常に高価なものだったので、植民地時代には成功したらその国の独占になった。例えばフランスのマルティニクだが砂糖とコーヒで詩人に歌われるほど豊かな島になった。ナポレオンの妃になったジョセフィーヌはそこに大富豪の娘だ。
ただこの時点で、生産から運送、流通までヨーロッパ人は見たわけだ。そこでどんなコーヒーがうまいかという知見が積み重なったと思う。
植民地が成功すればするほど、生産量が過剰になる。各国で流通するべく市場が生まれる。そこにブラジルという大生産国が登場した。市場では評価法をどうすればいいのか、積み上がった知見から当たり前の答えが出てくる。テイスティングすればいいのだ。ただテイスティングには基準が必要だ。そこで生産上の問題、流通上の問題、保管上の問題に分けられる。この中で流通上の問題と保管上の問題は、見ればわかる世界だ。褐変とかカビとかだ。生産上の問題は各農園が対応することで、これは見てもわからない。せいぜい篩い分けや比重選別、今だと色彩選別があるが、外見では味は全くわからない。
そこでテイスティングなのだが、欠点のない豆を探す作業になる。未成熟豆の混入、果肉臭や果肉から起きる発酵臭、そしてカビ臭、流通上のダメージのないものをできるだけ選んで、味がストロングで香りがリッチなボディが豊かなのが最高だとなった。エチオピアは歴史的地位はある。別格として歴史的地位がある。
ただコモディティーというのはどうしても搾取のイメージがつく。だが実際のコーヒー農園は高地にありいい場所ではない。僻地であるからこその貧困問題解決は実は別だ。フェアトレードコーヒーがネパールに多いのは理由は簡単だ。他の産地ではコーヒー相場が高騰した時に、関係が壊れてしまうのがしばしばで、ネパールのような市場評価が低く貧困地帯だからだ。安定した買い付けが最も有効だ。その反省でできたレインフォレストアライアンスは市場価格と連動させるが、認定基準が厳しい。持続可能な農業というだけではなく労使関係まで見たアライアンスだ。それでは厳しすぎるということで、味のみの評価で、ハイブリットでない昔の品種で、持続可能な生産方法で作られた、超高品質のを高く買う制度としてできた。
だが流通上で、結果としてごまかすような認定になってしまったのではないのか。
そうぶつけて見た。
熱田氏は、大体そうだ。だがスペシャリティコーヒーの認定するテイスターのレベルが低すぎる。そう指摘していた。組織が急激に拡大しすぎた、それが理由という。
モヤモヤしていたのが割とはっきりしたのだが、ポストモダンに置けるテキストの神話という現象を、もう少し味わいたいな。
でも今言えるのはある。こういう言葉を使う豆はやめなさい。
1)希少です
希少だから高いんです。それはあたりまえです。でも希少なものがわたしらに届くというのは疑ったほうがいいです。売れないから希少だと。そもそも作って入る量がおかしい場合がある。B山とか。HC島とか。大体J国だと疑われていますね。
2)黄色
生産管理が難しく、完熟かどうかは手摘みであってもかなり難しいです。ええ、熊本の農業試験場が黄色のトマトの収穫管理をまとめていましたが、日本人でも難しいのだよ。できる農園は相当教育費に金をかけて入るのでしょう。そこは評価しましょう。でも出来るところはあるのかな?
3)ナチュラル
自然栽培と区別してナチュラルという言葉があります。これはアンウオッシュドのことです。収穫したレッドチェリーをそのまま乾燥させる方法です。エチオピアとイエメン、つまり伝統的な生産方法の国と、ブラジルしかほぼやってはいけない乾燥法です。降雨量の多い地域では決してやってはいけない乾燥法です。
すごいから。まずいから。個性と言えばいいのだろうが本当にまずい。コロンビアのナチュラルを飲んで、2ヶ月ブラジルが飲めなくなったほどにまずい。モカは絶対飲まなかった。そこまでひどい。なおマンデリンのナチュラルというのもあるそうだが、これは多分ダイエットに役立つだろう。
まあその前に、高温多湿の地域で在来種を栽培して、無農薬とか有機栽培というのは確かに希少だが、農業としては間違っている。ロマンかもしれないが、そこに携わっている農民のことを考えれば貧困対策どころでは無い。過重労働になっている可能性もあるし、教育も追いつかないだろう。教育していない可能性すらある。何が持続可能か。
4)カシス・ベリーの香り
それ、ないわけではない。でもそれは品位が低い豆だと思う。でもカシスの香りがすると言われれば、そう思うでしょう?コーヒーは複雑な香りなので、言われれば30%の人はそう思います。でもカシスとベリーは、果肉臭だよ。ほんの少しあるとそう勘違いしてしまう。レッドチェリーを脱肉する工程遅れで簡単に起きるようだ。収穫して1日遅れたとかだけで簡単に出るらしい。なのでコーヒーは生産ロットでかなり変わる場合があるというのは、提供者は考えましょう。
5)シトラス・オレンジ・レモン
それカビが少しあるよ。でもシトラスの香りがすると言われれば30%の人はそう思う。そもそもワインじゃないんだから。ぶどうが発酵したからあの匂いなんだぞ。
6)ベルガモットの香り
ベルガモットは二種類栽培したこともあるし、ハーブティーにもした。だから言おう。発酵臭だよそれ。カビの可能性すらあるよ。でも言われれば30%の人はそう思う。
7)動物に食わせた
希少を追求したものですが、動物虐待ですのでやめてください。ゾウに食わせたというのがあるようですが、ジャコウネコに比べれば良さそうな気がしますが、果肉臭とか言って入る状況で、絶対糞の匂いがついて入るよなと思うのですが、何しろ希少なので、珍味が好きな方はどうぞ。
ジャコウネコのやつは、アメリカで輸入禁止です。でもジャコウネコに食わせていなくてもパッケージにジャコウネコの写真が出て入る商品がアジアにはあります。
この辺りをはすしてゆけば、マトモなコーヒーに近くなるのかなと思います。
なお最高の豆はヨーロッパにあるというのが大体の認識です。アメリカにはあんまりないようです。当然日本には、実は無いというのは知っておいたほうがいいでしょう。ただ、このところわけのわからないブームで日本は高く買ってくれるということで、コモディティでいい豆が入るようです。
ということで、これらの文言をいう店は二度と行かないほうがいいでしょう。なお熱田氏曰く「この現象って、日本だけなんだよ」ということです。