カルテ番号 わ・9(16)
「先生、私、先生とお会いした気がします。
ずっと以前です。
こんな事を言うと変だと思われるでしょうね。
前世とか、そういう昔の事みたいです。
先生は私の事、憶えていませんか?」
洋子はある意味必死になって訊いた。
知らないと言われるのが怖かったのだ。
院長は慎重に思い出しているようだった。
そして、静かに話し出した。
「渡部さん、決して変だとは思わないですよ。
私も多少常識とは違う世界に関わりました。
前世があるかどうかは別として、その記憶を持っている人にも会いました。
また、その記憶を共有する人達もいます。
別な時代や世界に生きていたとするのが自然だと思っています。
その証明は出来ないわけではありませんが、とても困難です。
そんな事は証明する必要が無いと思っています。
信じない人達は、どんな事をしても信じません。
大切なのは、その事に気づく、認める事によって何が変わるかでしょう。
信じても、信じなくても、他の人達はどうでもいいのです。
出会った人が、どう変わるか、どう活かすか、それが大切です。
渡部さんは、どうやら別な世界での私を知っていたのでしょう。
その話、私は楽しみですよ」
(登場する人物・組織・その他はフィックションです)
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