水上陽平の独善雑記

水上陽平流の表現でいろいろな事を書いています。本館は http://iiki.desu.jp/ 「氣の空間」

「風間陽水の依頼簿(カルテ)・424」

2014-12-16 18:59:32 | Weblog



カルテ番号 は・9(20)

原奈緒子は院長のこういう立場を気に入った。
精神的な説明や解説する人は、人間は進化しなくてはいけない、という。
より立派になるのが、生きているということだ、という立場だ。
だが、この院長は普通の生活が大切だという。
普通の生活に立派を持ち込まない方がいい、という。
47歳の原奈緒子も、あまり立派なセリフを言う人を信用しない。
正しさを主張する人も、あまり信用しない。

「これで、一通りの性に関する私の見解を言いました。
以上を踏まえて、原さんの個人的な悩みを聞きます。
個人的ですから、何かに当てはめる必要はありません。
そして、自分の正直な感想、考えを言って下さいね。
先ほどもいいましたが、正しい方法など見つけなくていいのですよ。
楽になる方法を探しましょうね」

やっと、ここに来た目的が言える。
今まで、誰にも言えなかったことが言える。
そう思ったら、何だか持ってきた悩みが小さく思えた。
秘密をしっかりガードしてきたつもりが、意識しすぎていたような気がした。
性は、そんなに隠すような事柄ではない。
当たり前なのだ。

(登場する人物・組織・その他はフィックションです)


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